QS世界大学ランキング:サステナビリティ2024

東京大学がアジアで最もサステナブルな大学の座を獲得

ロンドン, 2023年12月5日 /PRNewswire/ -- 世界的な高等教育評価機関であるQS Quacquarelli Symonds(以下QS)は、QS世界大学ランキング:サステナビリティの第2版を本日発表しました。QS世界大学ランキングは、大学の社会的影響、環境への影響、およびガバナンスを評価し、大学が世界でもっとも差し迫った環境問題や社会問題に取り組むためにどのように行動しているかを評価する独自の詳細な枠組みです。

QS世界大学ランキング:サステナビリティ2024は95の国と地域から1397校の教育機関を掲載しており、その数は昨年のパイロット版の倍以上となっています。
最もサステナブルな大学の座は、トロント大学が獲得しました。

米国が209校と最も多くランクインし、うち1校は世界トップ10に入っています。英国は93校と2番目に多くランクインし、うち2校がトップ10に入っています。中国は90校がランクインし、3番目に多いもののトップ100に入っている大学はありません。アジアからは4校が世界トップ50に入り、うち東京大学(22位)、シンガポール国立大学(26位)、ソウル大学校(46位)、南洋理工大学(50位)が上位となっています。

エグゼクティブサマリー:日本

QSのこのランキングには、日本の大学が30校掲載されています。東京大学はアジアで最もサステナブルな大学として、世界22位にランクインしています。東京大学は、日本の大学として唯一世界トップ100にランクインしています。

  • 強力なキャリアアウトカムと就業機会
  • 研究における高度なコラボレーションとコミュニティへの関与
  • 社会に良好な影響を与える学科において教育品質の課題に直面
  • キャンパス内における多様性と学生の支援において苦戦
  • 東京大学は特に環境と気候関連の面で優秀な学科を開講

日本:注目ポイント

以下の表は、指標ごとの上位の結果を示します。

  • 日本の高等教育セクターは、QSの「平等性」の指標で課題に直面しており、世界トップ400にランクインしている大学がありません。この指標は、職員、学生、リーダーシップの多様性、差別禁止ポリシー、および障害者支援を評価するものです。九州大学がこの指標で最も評価が高く、401位にランクインしています。
  • コラボレーション、研究共有、地域社会への関与を評価するQSの「知識の交流」の指標では、異なる結果となっています。日本の大学は、この指標で2校がトップ100に入っており、世界で最も優れた大学の1つである東京大学が世界11位にランクインし、アジアで首位となっています。京都大学は81位となっています。
  • 日本の大学は、政治、法律、および教育といった積極的な社会的影響をもたらす可能性のある学科において、改善の余地があると見ています。これはQSの「教育の影響」の指標に反映されています。京都大学はこの指標でも国内上位となっており、240位にランクインしています。
  • 日本の大学の質は、キャリアの展望と卒業後の機会を評価する「雇用可能性と成果」の指標において、卓越しています。日本の大学はこの指標で4校が世界トップ100に入っており、東京大学が国内首位となり、アジアでは4番目に高い順位となっています。
  • 東京大学は、QSの「健康とウェルビーイング」の指標に基づき、学生と職員の生活の質においてアジアで首位を誇り、世界99位にランクインしています。日本はこの指標でアジアの上位国に入っており、アジア地域トップ10に5校がランクインし、最も近い競合相手であるシンガポールと韓国の2校の2倍以上となっています。東京大学は、世界トップ100にアジアで唯一ランクインしています。
  • 東京大学は、環境への影響の面で非常に優れています。環境と気候に関わる学科における卓越した学力がその基盤となっており、「環境教育」では世界2位にランクインし、アジアで唯一この指標で世界トップ10にランクインしています。東北大学はこの指標で59位、京都大学は82位となっています。
  • 東京大学はQSの「環境サステナビリティ」の指標でも世界トップ10にランクインしています。この指標は、教育機関のサステナビリティと気候戦略に関する取り組みとその実施を評価するものです。東京大学はこの指標では世界10位となっています。またこの指標において、日本の他の大学では立教大学のみがトップ100に入っており、99位となっています。
  • 「環境研究」では、日本の大学2校が世界トップ100にランクインしています。この指標は、ElsevierがSDGs 7、11、12、13、14、15に分類した学術的な成果を評価するものです。東京大学はこの指標でも国内首位で64位にランクインし、京都大学は100位となっています。具体的には、東京大学責任ある消費と生産(SDG 12)に関連する研究において、2018年から2022年までに645件の学術論文から9,372件の引用がありました。これは、国内の最も近い競合相手である京都大学の2倍以上の件数です。
  • ガバナンスは日本の大学におけるもう一つの課題であり、最も順位の高い九州大学がこの指標では97位となっています。次いで順位の高い立命館大学は、244位と大きく低下します。

QSのシニアバイスプレジデントのベン・ソーターは、次のように述べています。「日本の高等教育におけるサステナビリティは、アジア全般と同様、優れた領域と改善の余地が対照的である国の一つです。一方で日本の大学では、特に東京大学において、環境教育、知識の交流、そして雇用可能性と成果において世界水準の能力を発揮し、学力、コラボレーション、卒業生の成功の面で優れています。また、セクター全体で多様性と包括性が著しく低く、ガバナンスと平等性の分野で課題に直面しています」

ソーターは続けてこう述べています。「こうした課題を克服するためには、日本の大学は職員と学生の多様性を優先し、包括性を強化し、効果的な障害者支援を確保するべきです。包括性と多様性に優れた環境は、すべての人の教育体験を豊かにします」

QS世界大学ランキング:サステナビリティ2024の調査方法は、以下の3つの評価カテゴリーに基づいて大学の成果を測定するものとなっています。

ü 環境への影響(全体のスコアの45%)では、環境サステナビリティ、環境教育、環境研究の3つの指標を集計しています。

ü 社会的影響(全体のスコアの45%)では、平等性、知識の交流、教育の影響、雇用可能性と成果、健康とウェルビーイングの5つの指標を集計しています。

ü ガバナンス(全体のスコアの10%)では、倫理、採用方法、透明性、意思決定などの優れたガバナンスに関する要素を考慮しています。

全体のランキングは12月505:00(東部標準時)に公開され、QS世界大学ランキング:サステナビリティ2024 | 上位大学で閲覧することができます。

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