いじめや自殺、被害者視点で助言 遺族ら「第三者委ガイドブック」

オンラインで取材に応じる「ここから未来」代表理事の大貫隆志さん

 いじめ、自殺など、子どもたちの命や人権に関わる問題が後を絶たない。弁護士や心理の専門家など外部の有識者らによる適切な調査や検証が行われるため、知ってほしい法令や、助言などをまとめた「被害者のための第三者委員会ガイドブック」が完成した。作成したのは学校の事件・事故調査に取り組む団体「ここから未来」。4人の理事のうち3人がいじめや、教師の言動が原因で子どもを亡くした遺族だ。

 問題が起きた時、都道府県教育委員会などが設置する第三者委は、経緯を詳細に調べ、再発防止策を打ち立てる。子どもの自殺に関する国の指針では、学校による基本調査の後、「全ての事案について詳細調査に移行するのが望ましい」とする。しかし、文部科学省によると、2022年度に自殺した児童生徒411人のうち、詳細調査をしていたのはわずか19件だった。

 希望者には協力金として1冊500円と、送料の負担で提供している。団体のサイトから申し込める。

「ここから未来」が作成した「被害者のための第三者委員会ガイドブック」

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