愛子さま お誕生日文書は昨年の1.7倍!年々強くなる平和への“覚悟と情熱”

22歳お誕生日用の写真を宮内庁書陵部庁舎で撮影された愛子さま(写真提供:宮内庁)

車の中から柔らかな笑顔で手を振られた、光沢のある淡いピンクのお召し物の愛子さま。12月1日、22歳のお誕生日を迎え、上皇さまと美智子さまに挨拶されるために、仙洞御所をお訪ねになった。

皇室担当記者はこう話す。

「誕生日の直前には、宮内庁から報道各社に“愛子内親王殿下のご様子”として、この1年のご活動やご近況などを記載した文書が配布されました。来年3月の学習院大学ご卒業に向けて、論文の執筆を始められており、ときには放課後に、日本語日本文学科の閲覧室や書庫で資料を集められたり、図書館に立ち寄られたりしているそうです」

ご研究のために、愛子さまは膨大な数の文献をご覧になっているようだ。お誕生日用の写真が撮影された場所は、皇室関係の文書や資料などの管理と編修を担当している宮内庁書陵部庁舎。

「現存最古とされる百人一首の写本や、江戸時代に制作された『むし双六の和歌』を読まれているお姿が公表されました」(前出・皇室担当記者)

さらにコロナ禍も落ち着きをみせ、成年皇族として活動の幅が広がり始めていらっしゃることもあってか、今年のお誕生日文書は昨年と比べると、かなりボリュームが増していた。

「昨年はA4判用紙で4枚でしたが、今年は6枚。文字数では約3千文字から5千文字強、1.7倍ほどになっています。

分量が増えているのは愛子さまの大学生活以外にも、公的な活動や宮中祭祀などについて詳細に記載されているためです。お誕生日文書は侍従職が作成していますが、愛子さまご本人や、天皇皇后両陛下も確認されているのです。愛子さまの“来年はさらなる活動”を、という情熱も感じられます」

宮内庁関係者は特に注目すべき2つのポイントがあったと語る。

「1つは、10月にご一家で日本赤十字社本社を訪問され、企画展『関東大震災100年 温故備震~ふるきをたずね明日に備える~』をご覧になったことに、かなりの字数が割かれていたことです。

展示をご覧になる前に、日本赤十字社本社の敷地内に建立されている殉職救護員慰霊碑にお三方でご供花をなさり、拝礼されました。愛子さまが公式の場でご供花をなさるのは初めてのことでしたが、ご所作などについて事前に天皇皇后両陛下にもお聞きになり、心を込めて臨まれています。

この日については“震災の被害の大きさに思いを巡らせているご様子”“感慨深く思われているご様子”など、愛子さまのお気持ちに関する記載も多いのです。それだけ成年皇族となられた愛子さまにとって初のご供花は、忘れられない出来事になったのでしょう」

もう1つのポイントが、“祈りの日”に関してだという。前出の宮内庁関係者が続ける。

「文書によれば、愛子さまは、第二次世界大戦や自然災害で亡くなられた多くの方々への追悼のお気持ちから、1月17日の阪神・淡路大震災、3月11日の東日本大震災、6月23日の沖縄慰霊の日、8月の広島・長崎原爆の日、終戦記念日に、今年も黙?されたとのことです。このことから、私は上皇さまのお言葉を思い起こしました」

■六つになっていた“忘れてはならない日”

’81年8月7日、当時は皇太子だった上皇さまは記者会見で次のように語られた。

「日本では、どうしても記憶しなければならないことが四つあると思います。(終戦記念日と)昨日の広島の原爆、それから明後日の長崎の原爆の日、そして6月23日の沖縄の戦いの終結の日、この日には黙祷を捧げて、今のようなことを考えています。そして平和のありがたさというものをかみしめ、また、平和を守っていきたいものと思っています」

この瞬間以来、“忘れてはならない日”が、日本国民の心に刻み込まれたのだが、前出の宮内庁関係者は、

「愛子さまは、この四つの日にさらに阪神・淡路大震災の日、東日本大震災の日を加え、“六つの日”に祈りを捧げていかれることを明確にお示しになったのです。

このなかで愛子さまが実際に体験されているのは、東日本大震災のみですが、天皇皇后両陛下が、いかに皇室にとって祈りが重要であり、そして自然災害の被害に遭った人々に心を寄せることが大切であるかを、愛子さまに教えてこられたことが伝わってきます」

’16年5月、学習院女子中等科3年生だった愛子さまは、修学旅行中に広島平和記念公園を訪れ、その場で受けた衝撃と、平和を尊ばれる気持ちを作文につづられている。

《家族に見守られ、毎日学校で学べること、友達が待っていてくれること…なんて幸せなのだろう。なんて平和なのだろう。青い空を見て、そんなことを心の中でつぶやいた》

広島を訪問されてから7年、愛子さまの平和を希求されるお気持ちは変わらないどころか、22歳のお誕生日文書で新たに宣言されるほど、そのご覚悟と情熱は強くなっていたのだ。

12月1日、上皇さまと美智子さまは、ご自分たちの信念も受け継いだ“祈りのプリンセス”のご成長に胸を熱くされたに違いない。

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