フジモリ元大統領の釈放命令 ペルー憲法裁、高齢理由

ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領=2007年6月撮影

 【サンパウロ共同】南米ペルーの憲法裁判所は5日、人権侵害事件で服役中のアルベルト・フジモリ元大統領(85)を即時釈放するよう国に命じた。釈放を認めた2022年3月の判断を履行すべきだとし、高齢や健康悪化も理由に挙げた。現地からの報道によると、フジモリ氏の弁護士は遅くとも6日には「釈放されるだろう」との見方を示した。

 左翼ゲリラと間違えられた市民らを軍が殺害した事件で、フジモリ氏は2010年に禁錮25年の判決が確定し、服役中。17年12月に高齢や病気を理由に人道的恩赦で釈放されたが、最高裁が18年10月に遺族の訴えを受けて恩赦を取り消した。フジモリ氏は19年1月、入院を経て再収監された。

 憲法裁は22年3月にも支持者の弁護士が出していた人身保護請求を承認し、釈放を認める判断をしたが、米州人権裁判所(本部コスタリカ)がその後に釈放を差し止める判断を出した。今回も人権裁が再び釈放差し止めの判断を出す可能性がある。

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