手続き短縮、混雑緩和 茨城県警、運転免許証更新で新システム QRコード活用

自動受付機で運転免許証更新の申請書を作成する利用者=茨城町長岡

茨城県内で運転免許証を更新するシステムが12月から変わり、運用が始まった。警察庁の新運転者管理システムの運用開始に伴い、県警運転免許センターや各警察署では自動受付機が導入された。QRコードなど最新技術を活用し手続き時間を大幅に短縮。更新時の混雑緩和や手続きの簡素化につながっている。職員の書類作成業務の軽減にも一役買っている。

新システムでは、運転免許証更新時にQRコード付きの申請書を発行できる自動受付機を取り入れた。これにより申請者の待ち時間短縮や、免許データ誤入力の防止が期待される。導入に当たり、各都道府県警がリース契約などで使っていた旧型の機器は廃止。警察庁が開発した機器端末に切り替えることでシステムの安定性が増し、維持費も安くなるという。

更新手続きの手順は、自動受付機に免許証を差し込み、変更点の有無など案内表示に従ってタッチパネルを操作する。氏名や住所といった必要な情報が記入された申請書が作成され、受け付けが完了する。操作時間は数十秒ほど。申請書を窓口に提出し、職員がQRコードを読み取ると、更新データは警察庁へ自動送信される。

これまでは窓口の職員が申請者の個人情報を入力して申請書を作成した後、申請書に更新後の免許証データを印字していた。運転免許センターは新システムの導入について「申請情報の正確性が高まり、業務の効率化も進む」と歓迎する。

警察庁は事務手続きのデジタル化を進める中、今年1月に新システムの運用を始めた。全国で順次、自動受付機へ移行され、茨城県は7番目。受付機の導入台数は計46台。同センターは今月3日、全27警察署や2警察センターでは同4日から稼働した。現時点でトラブルは報告されていない。

運転免許センターでは早くも効果が出ている。普段なら行列となる日曜の午前も、初日の3日は並んで待つことがほとんどなかった。一方で、更新手数料を支払う窓口に列ができており、今後は人員の配置換えを検討していくという。例年は年末年始に免許更新に訪れる人が多く、「待ち時間を短くして利用者の負担を減らし、利便性を向上させたい」と話している。

© 株式会社茨城新聞社