殴られた部長けが…暴行した自民市議、以前も暴言「100万円払えば人を殺せるやつ知ってる」 部長に対しては「暴力のつもりなく、首に手をのせもむようにした」その結果、部長は首を捻挫し全治3週間に

幸手市役所=幸手市東

 埼玉県幸手市の藤沼貢市議(80)が議場で市建設経済部の男性部長に暴行を加えけがを負わせた問題で、市は5日、幸手署に被害届を提出し受理された。市は同日、会見を開き、暴行のトラブル以前にも「100万円払えば人を殺せるやつがいるのを知ってるか」など藤沼市議による暴言があったことを明らかにした。

 市によると、藤沼市議は自宅の土地を巡り、別の市議から農地法違反を指摘されたことに反論していたという。4日に行われた一般質問で、大平泰二市議(共産)が藤沼市議の問題を追及。市側は指摘があった藤沼市議の土地について、必要な手続きを確認できていないと答弁した。

 市によると、大平市議が6月ごろから問題を指摘。藤沼市議は違反していない旨の理解を市側に求めていたという。大平市議が11月に入り、問題を取り上げたチラシを市内で配布した頃から、藤沼市議の言動が激しくなったという。

 市は11月中旬、同部長が藤沼市議から「100万円払えば人を殺せるやつがいるのを知ってるか」、同部長と担当課長が「(2人に対し)200万円を払えば人を殺せるやつがいるのを知っているか」などと言われた発言内容を記録、庁内で問題を共有した。

 藤沼市議は埼玉新聞の取材に対し「(発言について)覚えていない。暴力をするつもりはなく、首に手をのせもむようにした。けがをさせてしまったことについて申し訳なく思っている」と話した。

 藤沼市議は1日、本会議場上で、昼の休憩中に同部長の首を殴打しつかむ暴行を加えたとして、市が同署に相談。同部長は首を捻挫し、約3週間のけがを負ったという。

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