森林伐採の事故防止へ「適正な作業」プロが実演 京都・亀岡でチェーンソー講習会

専門業者によるヒノキの伐採を見学する参加者ら(京都府亀岡市)

 全国で後を絶たない森林伐採の事故を防ごうと、京都府亀岡市森林組合と市林業振興協議会は、チェーンソーの安全講習会を市内で開いた。間伐などで森林を管理する財産区役員ら28人が、プロの実演を見ながら適正な作業手順を確認した。

 足場の悪い山で作業する林業の労働災害の発生率は全産業で最も高い。府内でも死亡事故がここ数年相次いでおり、講習会を11月中旬に企画した。

 下矢田町の組合事務所では、林業・木材製造業労働災害防止協会の府支部から講師を招き、参加者は実際の死傷事故がどのように発生したかを聞いた。実演では、狙った方向に木を倒すためのチェーンソーで切り込む形や深さを学んだ。

 その後、薭田野町にある薭田野財産区の森林に移動し、専門業者によるヒノキの伐採を見学。ほかの木に引っかかって倒れきらない「かかり木」への対処も誤れば危険だとして安全な方法について説明を受けた。

 亀岡財産区の余田昇司さん(76)=矢田町=は「危険予知が大事と言われた。危ないと感じた経験をメンバーと共有して安全対策に生かしたい」と話した。

© 株式会社京都新聞社