スズキのコンパクトカーである新型スイフトが2023年12月6日(水)に発表されました。正式な発売日はCVT車が2023年12月13日(水)、5速MT(5速マニュアル)車は2024年1月17日(水)です。今回はカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、購入に役立つ新型スイフトのメリットと注意点を各5つ、合計10個をピックアップします。
新型スイフトのレビュー・評価
新型スイフトの価格と燃費
新型スイフトのグレードと価格
新型スイフト グレード別主要装備
今の国内の売れ筋カテゴリーは、1位が新車販売台数の40%近くを占める軽自動車で、2位は5ナンバー車を中心にしたコンパクトカーとSUVです。
そしてスズキは、コンパクトカーと軽自動車の両方に力を入れるメーカーです。売れ行きも好調で、2023年の国内販売状況を見ると、最も売れ行きの多いメーカーはトヨタで、2位がスズキです。3位はダイハツ、4位はホンダ、5位は日産と続きます。
新型スイフトの車両の概要は、価格を含めて2023年11月10日(金)に掲載しています。
新型スイフトのメリット5つ
1:装備を充実させた200万円以下の小型車では燃費がナンバーワン
新型スイフトの2WDのWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンのCVT(無段変速AT)が23.4km/Lで、マイルドハイブリッドはCVTが24.5km/L、5速MTは25.4km/Lです。
新型スイフトのマイルドハイブリッドの燃費性能は、ライバル車となるコンパクトカーのフルハイブリッド並みに優れています。
特に新型スイフトハイブリッドMXは、低燃費で装備も充実させて、2WDの価格が192万2800円なので買い得です。
2:コンパクトカーの中でも特に小回りが利いて運転しやすい
新型スイフトのボディサイズは、全長が3860mm、全幅は1695mmで、全高は2WDが1500mmです。全長はコンパクトカーの中でも短い部類に入り、最小回転半径は2WDが4.8mに収まるため、小回りの利きも良いです。
フロントウィンドウの角度が比較的立てられているので斜め前の視界も良く、水平基調のボディによって後方も見やすいです。
ボディの四隅も分かりやすく、縦列駐車や車庫入れも容易に行えます。全高が1500mmなので立体駐車場も使いやすいです。
3:内装は視認性や操作性が良く質感も良い
新型スイフトのインパネはブラックとグレーで仕上げられ、上質で明るい印象です。
カーナビの画面やエアコンのスイッチが収まるインパネの中央部はドライバー側へ向けて、視認性や操作性を向上させました。ATレバーも前後に動かすタイプで扱いやすいです。
前席の背もたれは、腰を包むような形状でサポート性も優れています。運転姿勢も合わせやすく、コンパクトカーとしてはドライバーの満足度は高くなるはずです。
4:ライバル車に比べて安全装備が充実している
衝突被害軽減ブレーキを作動させる安全装備は、新型スイフトでは「デュアルセンサーブレーキサポートII」に進化しました。
自車が交差点を右左折する時でも、直進車両の検知や横断歩道上の歩行者にも対応して、衝突被害軽減ブレーキを作動させます。
全方位モニター付きメモリーナビ装着車には、「ドライバーモニタリングシステム」が採用されました。ナビ画面の右上にカメラが装着され、ドライバーの居眠りや脇見運転などを検知すると、警報を発して注意を促します。これはクラスを超えた安全装備です。
新型スイフトのハイブリッドMZグレードには、「アダプティブハイビーム」が標準装着されました。対向車を検知すると、ハイビーム状態を保ちながら、照射範囲を調節して相手車両の眩惑を防ぎます。
新型スイフトは他のコンパクトカーと比較しても安全装備が豊富です。
5:コンパクトカーの中でも機能や装備に対して価格が割安
新型スイフトの買い得グレードは中級のハイブリッドMXです。
衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、サイド&カーテンエアバッグ、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットモニター、マイルドハイブリッド、エアロパーツ、アルミホイールなどが標準装着されながら、価格は192万2800円に抑えました。
新型スイフトの注意点5つ
1:後席が狭く感じる
新型スイフトは全長が短く、ドライバーと助手席を優先して開発されました。そのために後席は狭めです。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半です。新型スイフトのライバルとなるホンダ フィットの後席に座る乗員の膝先空間である握りコブシ2つ半などに比べると狭いです。
後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすく、4名乗車は可能ですが、ファミリーカーとして使うなら購入時に確認しましょう。
2:乗り降りがしづらい
新型スイフトは全高が1500mmと少し低めに抑えられているので、乗り降りのしやすさも確認しましょう。特に後席は、天井と着座位置の関係から、乗降時に少し頭を下げます。
先に述べた通り後席は足元空間も不足気味なので、乗降時の足の取りまわしにも気を付けましょう。
3:荷室の広さは平均的で収納設備も不足気味
新型スイフトの荷室の広さは、全長が3900mm以下のコンパクトカーとしては平均的です。路面からリヤゲート開口下端部までの高さは、先代型に比べると10mm下がりましたが、705mmです。
軽自動車のスズキ スペーシアは500mm少々なので、スイフトは重い荷物を積む時に、荷室の床が高く感じます。
新型スイフトの収納設備はコンパクトカーの平均水準ですが、スズキが得意な軽自動車の収納設備に比べると数は少ないです。背の高いスズキの軽自動車から新型スイフトに乗り替える時は、荷室や収納設備の使い勝手に注意しましょう。
4:中級のハイブリッドMXにはディスプレイオーディオが設定されていない
新型スイフトの買い得グレードは、中級のハイブリッドMXですが、全方位モニター付きのメモリーナビを装着すると価格が25万800円高くなります。
そこで最も安価なXGグレードと同様に、ディスプレイオーディオを12万円前後で用意して欲しいです。最近は「スマートフォンと連携できるディスプレイオーディオがあれば十分」と考えるユーザーも増えているからです。
そしてハイブリッドMXグレードにメモリーナビをオプション装着した場合、車両価格との合計額は217万3600円です。
この買い方をするなら、上級グレードのハイブリッドMZにメモリーナビをオプション装着する方が良いです。
ハイブリッドMZはディスプレイオーディオが標準装着されるため、メモリーナビのオプション価格が安く、車両価格との合計額も230万100円に収まるからです。
つまりハイブリッドMXに装着した時との差額は約13万円で、前述のアダプティブハイビームや電動パーキングブレーキなどが標準装着されます。
安価なカーナビなどをディーラーオプションで加えるなら中級グレードのハイブリッドMXを推奨しますが、高価格のメモリーナビを装着する場合は、上級グレードのハイブリッドMZを選ぶ方が得策です。オプションの内容により、選ぶグレードも変わるのです。
5:先代スイフトには設定されていたRSグレードを廃止
先代スイフトには、1.2Lエンジンを搭載するスポーティグレードのRSがありましたが、新型スイフトでは廃止されました。運転の楽しいグレードだったので残念です。
また、1.4Lターボを搭載するスポーティなスイフトスポーツも、先代スイフトを発売した時と同様、1.2Lのスイフトよりも遅れてデビューします。
販売店では「2024年の年末から2025年に発売される可能性が高い」とのことです。
5速MTは、先代スイフトではベーシックなXGグレードにも用意されましたが、新型スイフトではハイブリッドMXのみです。
開発者によると、新型では5速MTはスポーティな走行のためとしてではなく、燃費向上の機能と位置付けています。そのために5速MTはガソリンモデルにはなく、マイルドハイブリッドのみに絞って採用されました。グレードによって装備内容が異なり、選択できないものが多いため、グレードや装備の選び方には注意しましょう。
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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:森山 良雄】
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