パワハラをしないために 怒りが込み上げてから「6秒間うまくやり過ごす」 アンガーマネジメント専門家

テレビ愛知

民間調査会社が行ったハラスメント行為の実態調査によると、65.8パーセントの人が職場でのハラスメントを感じた経験があると回答しています。愛知県内では、東郷町の井俣憲治町長が町職員に対して暴言を繰り返したことが問題になりました。こうした「パワハラ」はなぜ起きるのか。原因と対策について専門家に話を聞きました。

「怒り」について学んだことがない

怒りについて理解できていない

日本アンガーマネジメント協会 澤田慎一郎さん:
「今、ハラスメントを防いでいこうと、世の中がみんな声をあげていますが、まだこれだけあるのか、というのは正直な感想です。私たちは教育として『怒り』について学んだことがないので、実際怒りを感じたときに、どんな風に表現すれば良いのか理解できていません。怒りという強い感情が生まれたときに飲みこまれてしまって、そう(パワハラに)なってしまっていると解釈しています」

怒りが込み上げてから「6秒間」うまくやり過ごす

パワハラをしないためには「6秒間やり過ごす」

パワハラをしないために気をつけてもらいたいことを聞きました。

澤田さん:
「怒りが込み上げてから6秒間うまくやり過ごすことで、理性が介入するといわれています。まずは反射をせずに、6秒間待ってから怒る必要があれば上手に怒れば良い。怒る必要がないと感じるのであれば、やり過ごすことでハラスメントも減ると感じています」

怒りっぽい上司を観察して身を守る

事実と思い込みを分けて聞く

一方でパワハラから自身を守るためにはどうすれば良いでしょうか。

澤田さん:
「怒りっぽい上司を観察すること。たとえば時間帯や、どんな出来事のときにその上司は怒りっぽいのか。月曜の午前中は機嫌が悪い、こういうフレーズはすぐ怒りっぽいなとか。パターンを記録しておくことは自分を守るツールになります」

もしパワハラ発言を受けた際には、事実と思い込みを自分の中でうまく分けて聞くことが大事だと訴えます。

澤田さん:
「パワハラを受けて心にダメージを負っている人のほとんどは、その怒りの感情をうまく扱えなかった上司の暴言をそのまま受け止めてしまっています。『自分はなんてダメな奴なんだ』と傷を負ってしまう。実際それは上司の怒りであって、自分の評価に当てはめなくて良いです。事実と思い込みは分けて聞くということも、自分を守るためには大事になってきます」

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