素泊まり宿併設!別府「駅前高等温泉」は、洋館みたいな可愛い共同浴場

駅前高等温泉とは

別府駅東口から、駅前通りを歩くこと約5分。まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような、小さな洋館が目にとまるでしょう。こちらが、今回ご紹介する「駅前高等温泉」。地域の人達が管理する町営の温泉です。

共同浴場でありながら格安の素泊まり宿が併設されている、別府でも数少ない施設。海にも山にも繁華街にもアクセス抜群な駅前の立地で、簡易宿泊所としても利用できるため別府観光の拠点にもぴったり。約90年前の建物がそのまま使われているというのも、オススメのポイントです。

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あつ湯とぬる湯、2種類のお風呂が選べる共同浴場

駅前高等温泉入り口のドアを開けてすぐの場所に受付があります。料金は前払いで、扉の脇にある券売機でチケットを買い、受付に渡す仕組みになっています。入浴は6:00~24:00まで。

こちらではお湯の温度が熱い「あつ湯」と通常の温度「ぬる湯」の2種類のお風呂があり、それぞれ別料金です。

ちなみに、あつ湯は日本人にとってもかなり熱く感じる温度なので、日本の共同浴場に入った経験が少ない方は、ぬる湯を選ぶとよいでしょう。

入浴料はあつ湯・ぬる湯ともに大人税込200円、子供100円。券売機の上部にある4つの黄色いボタンが入浴料で、一番上の列があつ湯、その下がぬる湯のボタンです。

入浴の際に必要なタオルや石鹸などをお持ちでない方のために、レンタルのバスタオルや使いきりのシャンプー・石鹸などもこの券売機で購入できます。価格は以下の通り。いずれも税込みです。

【レンタル】
バスタオル…50円
ヘアドライヤー…10円

【販売】
シャンプー…40円
リンス…40円
カミソリ…70円
女性用カミソリ…40円
石鹸…20円
歯ブラシ…40円
フェイスタオル…150円
駅前高等温泉の名前入りオリジナルタオル…300円

あつ湯の内観

受付に向かって右側はあつ湯の入り口。赤い布がかかっているほうが女湯、青いほうが男湯です。

こちらは女湯の内部。脱衣所にはベンチと体重計が1つ、そして荷物を置くための棚が並んでいます。

棚は空いている場所を自由に使えますが、鍵のかかるロッカーは受付の前にしかないので、貴重品はそちらに保管するようにしてください。鍵付きのロッカーは100円で、返金式ではありません。

あつ湯の浴室は、5人ぐらい入れそうな楕円形の湯船が1つ。

浴室は脱衣所から1メートルほど低い場所に造られていて、間に壁などはありません。男湯は女湯を左右対称にしたレイアウトで、造りはほぼ同じです。

男湯と女湯を仕切る壁には、メルヘンチックなステンドグラス風の模様があしらわれています。

現在はあつ湯とぬる湯という名称の2種類のお風呂ですが、かつては「高等湯」「並湯」という名前で呼ばれていました。

高等とは高級な、並とは普通という意味で、華やかなステンドグラスがあしらわれたこちらのお風呂が高等湯だったのかと思いきや、こっちは並湯で、もう一方のぬる湯の方が高等湯だったんだそうです。

一見、湯船への温泉の供給は止まっているように見えますが、浴槽の中から源泉が絶え間なく投入されています。

泉質は弱アルカリ性の単純温泉とあります。こちらは肌への刺激が少なく、子どもからお年寄りまで安心して入浴できます。また、肌もツルツルになるといった効果も期待できますよ。

また、ほんのりと赤茶色をした駅前高等温泉の温泉には、ナトリウムイオン炭酸水素イオンが多く含まれています。こちらは身体がよく温まるので湯冷めしづらく、また殺菌効果も期待できます。肌が綺麗になる成分もはいっており、女性には嬉しい効果ですね。

あつ湯とぬる湯は別の源泉で、両方とも敷地内から自噴しています。あつ湯には、温度調節をしていない温泉がそのまま注がれています。

湯温は日によってばらつきがありますが、泉温は44.5度前後。浴槽に溜まっている温泉の温度も、だいたい同じぐらいだと考えてください。

湯船に取り付けられている水が出る蛇口は、ハンドルが取り外されているため入浴客が自分で温度の調節をすることはできません。

ぬる湯の内観

ぬる湯の入り口は、受付の向かって左側。こちらも、赤い文字のほうが女湯(右)、青い方が男湯(左)です。

入り口を入るとまず脱衣所があり、ベンチとロッカーが置かれています。あつ湯同様、浴室内に鍵がかかるロッカーがありませんので、貴重品は受付前のコインロッカーで保管するようにしましょう。

脱衣所から浴室は、2メートルぐらい掘り下げられています。

入り口の真正面に、3〜4人入れるぐらいの湯船が1つあり、さらに脱衣所の下に鍵型の湯船がもう1つ。

2つの湯船は同じ源泉ですが、それぞれでお湯の温度を少し変えています。どちらが熱いかは、その日によって違うそうですが、両方とも38〜40度ぐらいの温度だそう。

温泉に入る前の注意

共同浴場では、湯船に浸かる前に必ず体を洗い流して、お湯が汚れるのを最小限に抑えるように努めましょう。石鹸を使って、しっかりと体を洗ってから入るのが理想です。長い髪は、お湯の中に入らないようにまとめて下さい。

また、別府では湯船のヘリに腰をかけるのはマナー違反となります。湯船のヘリは湯船に浸かっているときに頭を乗せる場所なので、そこにお尻を置くのはよくない、という理由です。

そのほかのマナーについては「知っておきたい、日本のお風呂・温泉・銭湯の文化とマナー」をご参照ください。

2Fは格安の素泊まり宿

駅前高等温泉の2Fは、食事のつかない素泊まり宿になっています。個室と広間の2種類の部屋があり、個室は1人2,600円広間は1人1,600円、それぞれに入湯税100円が加算されます。価格は税込、支払いは現金のみ。

宿泊の料金にはお風呂の使用料も含まれており、宿泊客は掃除の時間以外ならば一晩中何度でも1Fのお風呂が利用可能です。

予約は電話のみ。英語が堪能な大学生のアルバイトスタッフが数人在籍しているので、運よく彼らに当たればスムーズに対応してもらえます。そのほかの人の場合でも、簡単な英語であれば対応可能とのことです。

16:00チェックイン、10:00チェックアウト。チェックインの前でも、受付で荷物を預かってもらうこともできます。

昔から変わらない内観

古びた木造の階段を上ると、2Fは創業された1924年の雰囲気をそのままに残し、こざっぱりと改装されています。

こちらは2人部屋です。備品はテレビとエアコン、ポット、布団一式、そして浴衣が各部屋に準備されています。

また、外来入浴の場合は有料の歯ブラシや石鹸なども、宿泊客は無料なので、必要な方は受付でお伝えください。各部屋喫煙可、インターネット環境は無し。

個室は1人部屋と2人部屋がありますが、写真のように2つの部屋の仕切りを外して、3〜4人部屋ぐらいの大きさにすることも可能。混雑時は対応できない可能性もありますが、予約の際に相談してみて下さい。

広間では約10人が泊まることができます。ただし、利用は男性限定。

2Fには共同キッチンが1つあり、電子レンジとガスコンロ、流し台が備え付けられています。ただし本格的な調理ができるほどの設備ではないので、買ってきたものを温めるぐらいの用途でお使い下さい。

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さいごに

かわいい建物外観が魅力的な、素泊まりもできる共同浴場「駅前高等温泉」、いかがでしたか? 高級旅館では味わえない、古きよき庶民の温泉を体験しに、ぜひ駅前高等温泉を訪れてみてください。

取材協力:駅前高等温泉

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