将棋女流王座戦、加藤四段が1勝 天童・里見王座、防衛持ち越し

挑戦者の加藤桃子女流四段(左)が里見香奈女流王座に勝ち、対戦成績を1勝2敗とした=天童市・天童ホテル

 将棋の里見香奈女流王座(31)に加藤桃子女流四段(28)が挑むリコー杯第13期女流王座戦5番勝負の第3局が5日、天童市の天童ホテルで行われた。88手で後手の加藤女流四段が勝利し、対戦成績を1勝2敗とした。第4局は11日に東京の将棋会館で行われる。

 本県での女流王座戦は今回が初めて。対局は午前10時に始まった。里見女流王座が代名詞でもある中飛車で仕掛けたのに対し、加藤女流四段が居飛車穴熊で的確に受けて中盤以降ペースをつかみ勝利を引き寄せた。別室で大盤解説を務めた小山怜央四段は「加藤女流四段の対応のうまさと、終盤の踏み込みの良さが光った一局だった」と語った。

 対局後のあいさつで、加藤女流四段は「堂々と攻め合いを選び、勝つことができてよかった。次も伸び伸びと指したい」と笑顔で語り、里見女流王座は「勝負に行ったが、守りに弱さがあった。次局に向けてしっかりと調整したい」と気持ちを入れ替えていた。

 日本将棋連盟天童支部の大泉義美会長は「見応えのある対局だった。天童での女流タイトル戦は9年ぶりで、大盤解説会も多くのファンでにぎわい良かった」と話した。

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