冬の食卓に花作大根 長井・収穫進む

小ぶりでパリパリとした歯触りが特徴の「花作大根」の収穫作業=長井市花作町

 長井市花作地区に江戸時代から伝わる伝統野菜「花作大根」の収穫作業が進められている。同市花作町の生産者横沢芳一さん(70)の畑では「ねずみ大根」とも呼ばれる丸くて小ぶりな大根が丁寧に掘り起こされている。

 長さ15センチほどで、かつては置賜全域で作られていた。生産者が減少し、一時は栽培が途絶えた。横沢さんらの生産者組織が復活させ、現在は市内の3人が地元の直売所や道の駅に出荷している。今年は猛暑と少雨の影響で、出荷量は前年比2割減の800キロほどを見込む。収穫は今月10日ごろまでで、一部は越冬させ、雪解け後に収穫する。

 漬物に適しており、パリパリとした歯触りが楽しめ、適度な辛みがあり、そばの薬味にも向いているという。横沢さんは「煮崩れしにくく、加熱すると甘みが増す。輪切りで焼いて食べるのもお勧めだ」と話した。

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