京都府南丹市美山町向山で名産のユズが出荷の大詰めを迎えている。集荷場は住民らが摘み取った黄色い実であふれ、さっぱりした香りの中、手際よく選別し、袋詰めしている。
向山の住民らは2007年、耕作放棄地にユズの苗木を植えた。15年から年間1トンほどを収穫している。
今年は10月上旬から週1回、高さ約3メートルの木に柄の長いはさみを伸ばし、靴も貫通する鋭いとげに気をつけながら摘み取っている。集荷場では一つずつ手に取り外観を確かめ、丸々とした実を袋に詰めていった。規格外の実も、アロマオイル工房での香り付けに使われている。
同町の道の駅の店舗「ふらっと美山」や「大野屋」で売られ、ジャムやポン酢、ゆず湯の材料として人気という。出荷組合長の福井義昭さん(66)は「寒くなるのが遅かったためか、やや小ぶりだが、例年通りおいしい」とアピールした。収穫は12月下旬まで続く。