学びながら課題解決に挑む 神島・熊野・箕島3高が活動紹介、和歌山・田辺でフォーラム

地域課題解決に取り組む高校生の活動を紹介する3高校の教諭(和歌山県田辺市新屋敷町で)

 地域を学びながら課題解決に挑む高校生の取り組みを共有し、大学でどう発展させるかを考えるフォーラムがこのほど、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。神島、熊野、箕島の3高校の教諭が発表。資金確保やモチベーション維持などの課題、大学との関わり方などでさまざまな意見が出た。

 今年4月に地域創生学部を開設した淑徳大学(埼玉県)が、高校生による地域課題解決の先進地である和歌山から学び、大学が地域にどう貢献できるか議論しようと企画した。

 神島の那須正樹教諭は、商品開発プロジェクト「神島屋」の活動を紹介。梅のプロモーションや新商品の開発、料理コンテストにも参加しているが「継続にはこだわらない。取り組み内容を生徒自身で決めることで、やる気が出る。多くの生徒に参加してもらい、少しでも地域に興味を持つきっかけをつくりたい」と思いを語った。

 熊野の上村桂教諭は自動体外式除細動器(AED)使用率の向上のため、AEDシートを作製し、設置場所をオンライン上の地図に示す活動について説明。AEDシートの需要は高く、さまざまな施設への配布を進めているが「ボランティア活動で、活動資金の確保が課題」と述べた。

 箕島の山田江理奈教諭は、生徒一人一人が「地球市民」を意識し、SDGs(持続可能な開発目標)について学び、地域・企業と関わり、自分たちにできる取り組みを実践するプロジェクトを紹介した。

 淑徳大学地域創生学部の矢尾板俊平学部長は「高校生、大学生の力が地域で必要とされている。和歌山で地域実習をしたいし、高校とも交流したい」と今後の展望を述べた。

 高校側からは「大学生は研究ではなく、プレーヤーとして高校と関わってほしい」「大学での学びを高校で共有してくれたら、高校生が大学を見る目も変わる」などの意見が出た。

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