6日午後3時前、呉の港をゆっくりと進む巨大な船体…。呉の造船所で建造されていた“世界最大級”コンテナ船です。6日、完成して命名式が行われたあと、ゆっくりと動き出しました。
いくつかのタグボートに誘導されながらドックを出た巨大コンテナ船。スクリューが回り始め呉の港から出て行きました。
呉から出港する様子は次のリンク先からご覧ください。
このコンテナ船が建造されていたのは、広島県呉市にある大手造船会社ジャパン・マリン・ユナイテッド呉事業所です。命名式には造船会社や船を運行するオーシャンネットワークエクスプレスの関係者60人が出席しました。
支綱が切り離されコンテナ船が船主に引き渡されました。「ONE INSPIRATION」と名付けられたコンテナ船は、地元の小学生や関係者らに見送られ中国に向けて造船所を出港しました。
この巨大なコンテナ船…。全長は「戦艦大和」の約1.5倍ほどあり、この造船会社で建造された船舶のなかでは過去最大だということです。
全長399.95メートルで、幅は61.4メートル。総トン数は23.5万トン。デッキと船内に2万4000個のコンテナを搭載して一度に運ぶことができる世界最大級のコンテナ船です。
また、船首には、風きりのウイングが装備されていて燃費を良くする工夫もされています。このほか、長い航海で働く乗組員には、それぞれトイレ・シャワー付きの個室が用意され共用スペースには食堂やラウンジも準備されました。
運行会社によりますとコンテナ船は、中国やシンガポールなどアジアとヨーロッパを結ぶ航路に就くため今後、日本に寄港することはないということです。
オーシャンネットワークエクスプレスジャパン 管理部広報課 小堺祐樹 さん
「この船を安全に運航していくことによって世界の人々の生活や経済を支えていければと願っています」
見送った小学生
「この船がもう呉の港で見られなくなるのはとてもさみしいけどまた世界で活躍してほしいです」
呉で生まれた世界最大級のコンテナ船が世界の物流をつないでいきます。