「彼女を演じていたが、同居のつもりなくホストに使うお金が欲しかった」 “頂き女子りりちゃん”法廷で語ったこと

「頂き女子りりちゃん」を名乗り、恋愛感情を利用して男性からあわせて現金1億5000万円以上をだまし取った女の裁判が12月6日に開かれ、女は茨城県の男性から約3850万円をだまし取った「詐欺」の罪について起訴内容を認めました。

(YouTubeより)
「魔法少女りりちゃん!」

「頂き女子りりちゃん」こと住居不定・無職の渡邊真衣(わたなべ まい)被告(25)。

起訴状などによりますと、おととし3月からことし8月にかけ、マッチングアプリで知り合った茨城県と横浜市の男性からあわせて現金1億5000万円以上をだまし取った詐欺の罪などに問われています。

6日午後、名古屋地裁で開かれた第2回裁判。

傍聴を希望する200人以上が集まり、傍聴席の倍率は約2.5倍に。

渡邊被告は法廷に前回同様、紺のスウェットに黒のズボン、透明なフレームのめがねをかけて現れました。

裁判長に、茨城県の50代の男性から現金3846万1000円をだまし取った詐欺の罪について、起訴内容に間違っているところがあるか聞かれると…

(渡邊真衣被告)
「いや、ありません」

(裁判長)
「間違いないですか?」

(渡邊真衣被告)
「はい」

こう話し、起訴内容を認めました。

続く冒頭陳述で、検察側は「家族仲が悪いなどとの辛い生い立ちを下準備として伝え、好意を抱いているとの言葉を交えながら金に困っているとうそをついた」と指摘。

「金を無心した理由は全てうそ。ホストで使うお金が欲しかった」

また、渡邊被告が取り調べに対し「金を無心した理由は全てうそ。彼女を演じていたが、同居するつもりはなく、ホストクラブで使うお金が欲しかった」と供述したことが明かされました。

渡邊被告は男性に「借金が解決すれば同居できる」などと言って、金をだまし取っていたということです。そうして得た金は…

(YouTubeより)
「何の要求もせず変わらず応援してくれたマザーテレサみたいな女の子。損得勘定に支配されない女の子も世の中にはいる」

渡邊被告を「マザーテレサ」と称する東京・歌舞伎町のホスト「狼谷歩(かみや あゆむ)」こと、田中裕志(たなか ひろし)被告(26)に貢いでいました。

田中被告も、渡邊被告が詐欺でだまし取った金と知りながら、ホストクラブでの飲食代として現金約900万円を受け取った罪で、店の責任者の男(34)とともに4日起訴されました。

6日の裁判でも、渡邊被告が取り調べで「ホストクラブに通いつめ、1度に数百万から数千万円使うこともあった。担当ホストを1位にすることが生きる意味」と供述していたことが明らかに。

渡邊被告はこのほか、横浜市に住む50代の男性から現金1億円以上をだまし取った詐欺の罪や、名古屋市に住む21歳の大学生の女に男性から金をだまし取るための「頂き女子」マニュアルを販売するなどした詐欺幇助の罪にも問われています。

次回の裁判は、来年2月16日に開かれる予定です。

© CBCテレビ