議場から町長と多くの職員が退席する異例の事態 町長席に残された“落ち着いて”“冷静に”のメモの意味は?

職員に対するハラスメント問題を受け、愛知県東郷町の井俣憲治町長は12月6日から、町議会で、議員から答弁を求められた質問以外は退席する異例の対応をとっています。

(中野勝宏議員)
「町長によるハラスメントについて、町長の事実・原因認識、今後の対応について…」

(東郷町 井俣憲治町長)
Qハラスメントについての認識と今後の対応は?
「『あたりが強い』という言葉の意味は不明確で主観的ですが、職員の間ではとまどいもあったかと思う」

6日に始まった定例議会の一般質問で、ハラスメントに関する質問に答える東郷町の井俣町長。

井俣町長をめぐっては、職員へのハラスメント問題を受け、町議会の議長が11月、「職員保護」を理由に、町長に役場への登庁を控えるよう要望書を提出。

町長はこれに応じ、必要な場合以外は議場に立ち入らない方針を示していました…すると、6日の一般質問で、こんな意見が。

(水川淳議員)
「一般質問の途中ですが、議事進行中に発言を求めます。緊急性があります!」
「議場内にお見えになる職員がいる。職員の心の安寧を求める議員一同、共通の理解が得られると思うので、議長の方から退席を促すことも1つの考えだと思う」

(石橋直季議長)
「ここで部長級以下の職員の退席を求めます」

ハラスメントを受けた職員が議場にいると、その職員が気分を害する恐れがあるとして、議長は町長の答弁中に職員の退席を促しました。

そして、町長も自身の答弁を終えると退席。

議場からは町長、さらに幹部を除く、ほぼすべての職員の姿がなくなりました。

(東郷町 井俣憲治町長)
「呼ばれていない案件については参加しない」
Q町政に影響はない?
「効率化につながればと思っているし、現状においては支障はない」

そして…退席した町長の席にはこんなメモが。

よく見るとメモの下にも、「冷静に」という文字が机に刻まれています。

(東郷町 井俣憲治町長)
「下に書いてある「冷静に」というのは僕が書きましたけれども、だれが貼ったのかは分からない」

このメモが示す意味は一体、何なのでしょうか。

井俣町長は今後、定例議会の会期中に議場に入る予定はなく、町長不在のままで本会議が進むという異例の事態が続きます。

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