立民・重徳衆院議員 わいせつ疑惑に「事実無根」 謝罪メールは「陳情を受け止められなかった」

立憲民主党の重徳(しげとく)和彦衆院議員(52)が6日、国会内で会見し、支援者の50代女性が重徳氏に強引に胸などを触られるなど強制わいせつ被害を訴え、愛知県警が被害届を受理したと3日配信の「文春オンライン」などが報じたことに「事実無根。あらぬ疑いをかけられている。逃げ隠れするようなことではない。一方的な主張を言われっ放しでは、地元を始め私を支持してくださっている方に申し訳ない」とし、事情を説明した。

2022年4月に開いた支援者との懇親会の帰路、車内で女性にわいせつ行為をした疑惑を報じられた重徳氏は「週刊誌の報道は、当日の懇親会に至る背景とかその後の経過というものを省いて、部分だけ切り取ったもの。事実と違うストーリーを作られている」と主張した。

重徳氏によると、被害を訴えている女性は2021年の総選挙を手伝ったといい「その方の介護事業所の陳情に関するうちの事務所の対応について、再三苦情があり、うちの秘書や事務所も対応に苦慮していた。不満の矛先が事務所や事務所のスタッフに向けられていた」と素性を明かした。

懇親会では「ある支援者の方が、その相手の方と事務所の関係を改善するために懇親会の場に誘ってくださいました」ものの、女性と話はできなかったと振り返った。懇親会が行われた店が用意したハイヤーに重徳氏が乗り込んだところ、女性が同じ車内に乗ってきたといい「一緒に乗車していたのが2、3分程度。1キロぐらいの近い距離でありましたので、相手の方が主張するような車内での事実はございません」と重ねて強調した。

重徳氏は、車の後部座席左側に乗っていたが、後に女性が乗り込んできたため右側に座ったといい「自身の認識は、その相手の方が私に体を寄せてきた。ちょっといけないな、ということで相手の方の肩に触れたという事実はございます」と主張。肩に触れたことについても「思いがけず、ということがあったので、体制を立て直すため。強く押し戻すということはしませんでしたけれども…体を支える、立て直すということ。それで体制は直って、それ以上体を寄せられることはなかったという理解」と、わいせつ目的を完全否定した。

ハイヤーの運転手とも記憶が一致しているとしたが、ドライブレコーダーなどについては「元々無いんじゃないかなと思います。これは特段確認していません」と述べた。女性が被害を訴えていることについて「陳情や後援会事務所の対応に不満を持っていた。私が解決しなきゃいけなかったんですけど、その懇親会が十分話も聞かず対応しない状況が重なってしまったという経過がある。一連の対応への不満もあり、ありもしない話をされているんだと考えます。残念です」と指摘した。

懇親会の翌日、重徳氏から女性に謝罪メールが送られたという一部報道に重徳氏は「メールは私のもの」と認めたものの、なぜ謝罪したかについては「陳情ですね。陳情をもっとしっかり受け止めなきゃいけなかったところ、思ったより(懇親会の)人数が多かった。他の方々との談笑に時間を割いてしまった。そのことを指して申し上げた。それほどの陳情と大きく受け止めることができなかったということでおわび申し上げました」と釈明した。

「引き続き議員活動に精進することには揺るぎはございません。警察の捜査には全面的に協力していまいります」と語気を強めた重徳氏。弁護士と相談し、法的措置を検討するとしたが「何も決めていません。これから相談します」と、出版社や女性のどちらを訴えるかについては明言しなかった。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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