“頂き女子”りりちゃん「おぢ」を落とすテクニックと裁判で明らかになった動機「担当ホストをナンバー1にすることが生きる意味」「おぢの存在が大事だよってたくさん肯定します」【裁判担当記者の取材メモ】

男性から現金1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われている「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣被告(25)。

6日に行われた第2回裁判で明らかになったことをまとめます。

【渡邊真衣被告の様子】
・紺色のスウェット
・黒のズボン
・クリアフレームのめがね
・白色のマスク
・茶色のスリッパ

【起訴内容】(起訴状などから)
①詐欺幇助の罪
2022年6月、名古屋市に住む21歳の大学生の女に、恋愛感情を利用して男性から現金をだまし取るための「1ヶ月1000万頂く頂き女子りりちゃんの【みんなを稼がせるマニュアル】」「頂き女子の参考書」と題するマニュアルを販売したほか、2023年2月にはTwitterのスペース機能を使って、男性の心をつかむ方法についてアドバイスをした。

②詐欺の罪
2023年4月から8月にかけ、茨城県の50代男性から、現金計約3850万円をだまし取った。

③詐欺の罪
2021年3月から2023年8月にかけ、横浜市の50代男性から、現金計約1億5550万円をだまし取った。

12月6日の第2回裁判では、②の詐欺の罪について審理されました。

【罪状認否】
(裁判長)「起訴内容に違っている点はありますか?」
(渡邊被告)「いや、ありません」
(裁判長)「間違いありませんか?」
(渡邊被告)「はい」

渡邊被告は起訴内容を認め、弁護側も事実関係を争わない方針を示しました。

【検察側冒頭陳述】
▼遅くとも2018年ごろからホストクラブに通い詰め、豪遊するようになった。

▼自身が指名するホストに対し、一度に数百万円から数千万円をつぎ込むこともあった。その原資は「頂き女子」と称して、マッチングアプリで知り合った男性から金銭をだまし取る方法でまかなっていた。

▼被害者の男性とは2023年4月ごろ、マッチングアプリで知り合い、4月20日以降、LINEで連絡を取り合うようになった。

▼渡邊被告は男性をだますための下準備として、自身がつらい生い立ちで家族仲が悪いとの虚偽の事実を伝えた。

▼男性に好意を抱いているかのような言葉を交えながら、自身が金銭的な問題を抱えており、その問題が解決しなければ男性と別れなければならないとほのめかした。

▼渡邊被告に好意を抱いていた男性は、渡邊被告が抱える金銭的な問題が解決すれば同居・結婚をしたいとの意向を度々伝えた。渡邊被告もこれを了承するかのような返事をしていた。

▼男性は生命保険を解約するなどして渡邊被告に渡す金を用意。

▼現金を渡す条件として、借用書の作成やお金の使い道についての証拠を出すよう求めたが、渡邊被告はそれに応じなかった。

“頂き女子りりちゃん”が「金を受け取った」名目とは

【②で渡邊被告が金を受け取った名目】
1.親と縁を切るために手切れ金が必要
2.“池田という人物”に2000万円以上の借金があり、借金を返済すれば男性と同居できる
3.携帯電話料金の支払いを滞納している

【証拠調べ】
▼被害者の供述
「渡邊被告から好意を抱いているとの言葉とともに、悩みを抱えていて別れを切り出すような言動もあった」
「”実家の親と不仲で手切れ金を要求されている”と言われたり、”池田に借金を返せないと風俗店で働かされる”などとLINEで言われた」
「虚偽の言動を真実だと思ってお金を振り込んだ」

▼渡邊被告のTwitter
被害者や他の男性とのLINEのやりとりのスクリーンショットを投稿。
(画像とともに以下のような文章を投稿)
「本日の色恋LINEです みんなつかってね」
「おぢの存在が大事だよってたくさん肯定します 参考にしてね」

このほかホストクラブで撮影したと思われる札束なども投稿していた。

▼渡邊被告の供述
「金を無心した理由はすべてうそ。彼女を演じていたが、同居するつもりはない」
「ホストクラブで使うお金が欲しかった」
「マッチングアプリで目をつけたおぢに、好意を抱いているような言葉とともに虚偽のエピソードを話し、虚偽の名目でだまし取った」
「(借金相手としていた)池田も架空の人物で、1人2役で演じていた」
「担当ホストをナンバー1にすることが生きる意味」
「連日ホストクラブに通って豪遊し、だまし取った金のほぼ全てを歌舞伎町のホストクラブで散財した」

次回の裁判は2024年2月16日に開かれ、③の詐欺の罪などについて審理される予定です。

© CBCテレビ