スヌーズレン 岡山に体験施設計画 建築士大西さん CFで整備費募る

スヌーズレンの体験施設を整備する空き店舗の1室

 光や音、香りで五感を刺激し、障害児らの発達を促す療育手法「スヌーズレン」の普及を進めている建築士の大西直美さん(44)=岡山市南区=が、体験施設の整備を計画している。来年4月、市内でのオープンを目指し整備費の一部をクラウドファンディング(CF)で31日まで募っている。

 体験施設は同市南区藤田の空き店舗(鉄骨2階延べ約140平方メートル)を改修し、スヌーズレンに対応した3部屋を設ける。跳躍器具やハンモック、ブラックライトで光る絵などを備える予定。カフェスペース、バリアフリートイレなども整備する。施設の名称は、体験する「感覚」を選べることから「かんかくもーる」とした。運営は大西さんが代表理事を務める一般社団法人「Ai(アイ)―care(ケア)」が担う。

 大西さんは昨年5月、自宅一室(約10平方メートル)にスヌーズレン空間を設けて体験会を実施。今年2月からは常設化し、これまでに重度知的障害児や認知症患者ら延べ約200人が利用した。ただ、一度に多くの利用者を迎えられないといった課題があり、新施設の開設を決めたという。

 目標額は200万円で、スヌーズレン室の設備購入費に充てる。大西さんは「生きづらさを感じる人たちがリラックスできるだけでなく、さまざまな人と出会い、つながれる場所にしたい」と話している。

 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/kankaku-mall)。

 スヌーズレン 1970年代にオランダで始まった重度知的障害者の療育手法。光や音などが五感を適度に刺激することで、興味や意欲を引き出したり、リラクセーション効果を与えたりできる。オランダ語で「においをかぐ」と「うとうと居眠りをする」を意味する単語を組み合わせた造語。

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