職員叱責する音声データ公表 笠岡市議会委 市長「記憶にない」

笠岡市役所

 笠岡市の小林嘉文市長(63)が市職員に対し「ばかみたいなことを言うな、お前。ナンセンスなんだよ」などと叱責(しっせき)する音声データが6日、同市議会特別委員会で公表された。小林市長は自身の声と認めた上で「怒っているのだろうが、記憶にない」と述べた。

 特別委が職員から提供を受けた2種類の音声データ(計約1分間)で、市議会によって予算が削除された事業を巡る職員とのやりとりとみられる。日時や場面は不明。特別委はパワハラが疑われる発言だとして、市に事実調査を含めた対応を求めることを決めた。

 音声データでは、職員の発言を遮る形で叱責しており「何の権限でな、市長に向かってさ、言うこと聞きませんよって言えるの」といった内容もあった。

 小林市長は「どういう文脈での発言か分からない以上は不適切だったか判断できない。市として調査し、相手が傷ついたのであれば反省したい」とした。

 市議会は市長ら特別職や議員らのハラスメントに対応するため、第三者による事実調査などを市に義務付ける条例案を、20日の12月定例会最終日に提出することを決めている。

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