親が熟年離婚!子どもが受けたこんな影響 #3 「母から出たとんでもない言葉」

自分が家を出て自立してから両親が離婚、「やっぱり」と思うか「まさか」と思うか、子どもたちの受け止め方はさまざまです。

親に離婚する意思があることを知っていてもいなくても、家族である以上自立していても影響は避けられないのが現実。

親の離婚そのものより、それにまつわる事態の変化に疲れてしまうという人もいます。

親が熟年離婚したことでどんなことが起こったのか、実録でご紹介します。

「母親の両親と同居していた我が家は、父がいつもないがしろにされていて、私たち姉妹とは違うメニューが父にだけ出されたり、遊園地に出かけるときは父だけいなかったり、いま思えば異常だったと思います。

父は無言で私たちともあまり会話はなく、ずっとそんな環境にいた私はそんなものかと思っていました。

次女の私が大学進学で県外に行ってから父は家を出て、それからは没交渉でまったく話していません。

母から父と離婚することを打ち明けられたのは就職して3年目のとき、母は55歳で父は60歳でした。

父の定年退職のタイミングで離婚を決めたようですが、その頃には実家のおかしさを理解していた私は『そうなんだ』と冷めた感想しか出なかったです。

これで父も楽になれるのかな、くらいに思っていたのですが、母から出たのは『だから、私の面倒はあなたたちがみてね』というとんでもない言葉。

母の両親は高齢で介護施設に入所しており、実家に母が住み続けているのは聞いたけれど、『いずれこっちに戻ってきて同居してほしい』と当たり前のように言う母親に呆れ返りました。

姉はすでに結婚して県外におり、まだ独身の私に世話をさせる気が満々の母親に『仕事もない地元に戻るつもりはないから』ときっぱり返しましたが、『親の面倒をみるのが子どもの義務なのだから』と大声で喚くので心底うんざりしましたね。

自分がそうやって親の世話をしてきたから私にも言うのだろうけど、従う気はさらさらありません。

姉に連絡したら同じようなことを言われており、姉も地元に戻るつもりはなく、ふたりで生活費を出す程度の援助をしようと決めました。

離婚の際に母は財産分与で父の退職金からまとまったお金を手にしていることも姉から聞き、お金の無心をされたらそこを突くことも話し合いました。

勝手に離婚して自分の世話は娘がするとまた勝手に決めて、『冗談じゃないよね』と姉とは言っています」(女性/27歳/デザイナー)

そもそも家庭の状態が異常であり、愛着を持てないままの我が子に「義務」として自分の面倒を押し付けるのは、どう考えても無理筋と感じます。

「自分がそうしてきたからお前も従うべき」は通らず、たとえ扶養義務があるとしてもそのやり方は子が自分で決められます。

熟年離婚をするのであれば、その後の生活に子どもをあてにすることはできない現実をしっかり見据える必要があるのですね。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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