前那覇市議長ら5人起訴 那覇地検 市有地巡る贈収賄事件

 那覇市有地の所有権を巡る贈収賄事件で、土地購入を希望する不動産会社側の賄賂と知りながら市議会議長在任中に現金計5千万円を受け取ったとして、那覇地検は6日、前議長の久高友弘容疑者(75)=那覇市=ら計5人を収賄などの罪で起訴した。地検はいずれも認否を明らかにしていないが、弁護士によると逮捕後の調べに、久高被告は賄賂の認識はないなどと否認していた。

 久高被告のほかは、 市有地の所有権を主張する女性の成年後見人で飲食店経営の71歳の容疑者=那覇市=を収賄罪で、現金を供与したとして元総会屋の80歳の容疑者=鹿児島県=と会社役員で70歳の容疑者=東京都=を贈賄罪で起訴。書類送検されていた73歳の元不動産会社代表=那覇市=も贈賄罪で在宅起訴した。

 起訴状によると、久高被告は、女性らに有利になる議案の提出や発言、質問、表決を他の市議に働きかけるなど便宜を受けたい趣旨と知りながら、2020年12月に元不動産会社代表の被告と元総会屋の被告から現金500万円を受け取ったとされる。また、21年2月には飲食店経営の被告と共謀の上、会社役員の被告含む3人から現金4500万円をそれぞれ賄賂として市議会議長室で受け取ったとされる。

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