茨城・稲敷の不法投棄 住民ら市と業者提訴 5000万円の損賠求める

茨城県稲敷市小野地区に産業廃棄物が不法投棄されたとして、周辺住民らが、同市と埋め立て業者らを相手取り、連帯して計約5000万円の損害賠償を支払うよう求める訴訟を水戸地裁龍ケ崎支部に起こしたことが6日、分かった。提訴は5日付。

訴状によると、2015年10月ごろ、同県美浦村の埋め立て業者が同地区の山林に土砂を埋め立てる許可を市から得て、埋め立てが進められた。16年5~6月ごろには、無許可で同地区の逢善寺が所有する山林や共同墓地に、少なくとも7489平方メートルを埋め立てていたという。土砂は建設汚泥処理物で、本来は最終処分場に搬入する廃棄物だった。

住民側は、埋め立て業者や千葉県の土砂運搬業者らが「不法投棄と認識していたはず」と主張。市は無許可埋め立てを認識しながら停止命令を出さず、土砂が産廃かどうか確認する注意義務を欠いたとしている。

市は「連絡が来ておらず中身も分からない」としている。

同地区を巡っては、国の公害等調整委員会(公調委)が市や業者らの責任を認め、連帯して約2000万円の支払いを命じる裁定を出した。市は11月30日、裁定を不服として、賠償金の支払い義務がないことの確認を求め、同支部に提訴した。

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