ペルーのフジモリ元大統領、釈放 2019年1月以来約5年ぶり

2018年3月、ペルー・リマ近郊で裁判に臨むアルベルト・フジモリ氏(ロイター=共同)

 【サンパウロ共同】南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領(85)は6日、在任中の人権侵害事件で服役していた首都リマ郊外の拘置施設から釈放された。現地メディアが報じた。自由の身になったのは2019年1月以来約5年ぶり。

 フジモリ氏は施設の前で長女ケイコ氏(48)と次男ケンジ氏(43)と抱き合い、ケンジ氏の妻の運転する車に弁護士らと乗り込み施設を後にした。

 同国の憲法裁判所は4日付でフジモリ氏の即時釈放を命じていた。22年3月に人身保護請求に応じて釈放を認めた判断を履行すべきだとした。高齢や健康悪化、判決確定前の拘束期間も含め刑期の約3分の2を終えたことなども理由に挙げた。

 これに対し、米州人権裁判所(本部コスタリカ)は5日、事件遺族の要請を受け、ペルー政府に対して憲法裁の命令に従わないよう求める判断を出していた。

 フジモリ氏は、左翼ゲリラと間違えられた市民らが軍に殺害された事件で、10年に禁錮25年の判決が確定し、服役していた。

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