新幹線長崎ルート 佐賀県と年内協議を、国交省に要請 与党検討委

九州新幹線長崎ルート未着工区間について意見を交わした与党検討委=衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を協議する与党検討委員会は6日、東京都内で開き、国土交通省に対し、早期着工に向けた佐賀県との協議を年内に再開し、来年1月に報告するよう要請した。
 長崎ルートに関する検討委の会合は2月以来、約10カ月ぶり。冒頭のみ公開し、終了後に森山裕委員長が記者団に説明した。
 これまで国交省は佐賀駅、佐賀市北部、佐賀空港をそれぞれ経由する3ルートの整備効果を検証。このうち空港経由について「超軟弱地盤のため厳しい」などとし、佐賀駅経由を「適切」と提示した。
 一方、同県の山口祥義知事は9月県議会などで空港や有明海沿岸道路と連携する「南回りルート」を一定評価。11月に南里隆副知事が国交省幹部と面会し、財政負担について「(開業区間分を含め)佐賀県の実質負担は長崎県の半分以下が相場」との見解を示している。
 この日の検討委では、国交省鉄道局が長崎ルートの最近の動きを報告。委員が意見を交わした。
 佐賀駅と空港の間を通過する新ルートについて、森山氏は「(検討委で議論は)していない」「鉄道局が佐賀県と専門的な形で協議するのが一番大事だ。今年中にまた協議をして(検討委に)報告してもらう」と説明。佐賀県の理解を得る前提で「もし最も素晴らしいルートで安全性も担保され、建設(費用)的にほとんど変わらなければ、議論していい」と述べた。
 検討委では協議に先立ち、長崎県議会の九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟の瀬川光之会長と前田哲也自民党県連幹事長が発言。国交省に働きかけ、佐賀県の負担軽減を含む財源議論を進めるよう委員に要望した。

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