ポール・マッカートニー&ウイングスの名作50周年発売決定

今年発売50年を迎える12月4日に海外で発表されたポール・マッカートニー&ウイングスの代表作『Band On The Run』50周年記念エディションの日本盤リリースが海外と同じく2024年2月2日に発売されることが決定した。

ここにはオリジナルの音源からオーケストラなどを取り除いた未発表音源「Underdubbed」ミックスが9曲分収録される。輸入盤ではLPも発売となる。

50周年を迎える名盤

ヒット・チャートの首位に輝き、グラミー賞を複数の部門で受賞、そして発表後、数十年に亘って”史上最高のアルバム・ランキング”の常連であり続ける『Band On The Run』 ―― この大ヒット・アルバムのオリジナル盤がリリースされたのは1973年12月のことだった。

不朽の表題曲「Band On The Run」、世界的ヒットを記録した「Jet」、哀愁漂う「Bluebird」、ライヴの定番曲として愛され続けている「Let Me Roll It」、サウンドの変化が面白い「Picasso’s Last Words (Drink to Me)(ピカソの遺言)」、作品のクライマックスを彩る「Nineteen Hundred and Eighty Five(1985年)」といった楽曲が収録された『Band On The Run』は、間違いなくウイングス史上もっとも大きな成功と賞賛を得た作品といえるだろう。

今回の50周年記念エディションは、アナログLPをはじめとするさまざまなフォーマットで発売される。2CDエディションは、米国オリジナル盤と同じ曲目のアルバム本編と「Underdubbed」ミックスを収録。こちらには、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターが、両面印刷/折り畳み式で付属される。

LPのスペシャル・エディション(輸入盤のみ)には、1973年当時のオリジナル・マスター・テープから高品質でデジタル変換した音源を基に、ハーフ・スピード・カッティングで製作されたもので、カッティングを手がけたのは、ロンドンはアビー・ロード・スタジオのマイルズ・ショーウェルである。このLP盤エディションの収録曲は「Helen Wheels(愛しのヘレン)」が収録された米国盤のそれに準拠しており、さらにはリンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターも付属となる。

また、同じくアナログ盤の2LPエディション(輸入盤のみ)には、ハーフ・スピード・カッティングで製作された米国盤のアルバム本編に加え、2枚目のディスクとして収録曲の「Underdubbed」ミックスが併録される。なお、上質なスリップケースに収納されるこちらのセットには、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド・ポスターが2枚付属する。

オーケストラなどがない「Underdubbed」ミックス

『Band On The Run』収録曲の「Underdubbed」ミックスに関してはデジタル配信も行われる予定でアルバムのタイトル・トラック「Band On The Run」の「Underdubbed」ミックスは12月7日に配信となった。この「Underdubbed」ミックスミックスについてポール・マッカートニーは以下のように説明している。

「これは、いままで誰も聴いたことがないような『Band On The Run』だ。曲を作って、追加のギターなどのパートを足すことを”オーヴァーダブ”と言う。このヴァージョンは”アンダーダブド”、つまりその逆の状態のものなんだよ」

デジタル配信もされる初登場の「Underdubbed」ミックスでは、オーケストラなどの追加パートが入っていない状態で『Band On The Run』に収められた9の名曲を楽しむことができる。これまで未発表となっていたこのラフ・ミックスは1973年10月14日、ジェフ・エメリックがAIRスタジオのピーター・スウェッテナムの力を借りて製作したものだ。下方に記載の通り、曲順はこれまでの既発版とは異なるが、これはMcCartney Productions Ltd.の倉庫で発見されたオリジナル・アナログ・テープの曲順に準拠している。

そして今回、『Band On The Run』のドルビー・アトモス・ミックスも製作された。こちらはジャイルズ・マーティンとスティーヴ・オーチャードが新たに手がけたものである。こちらはデジタルのみの配信となる。

<YouTube: Band On The Run (Underdubbed Mix)>

ポールはツアー中

現在、ポールは好評を博しているコンサート・ツアー”Got Back”で各地を巡り、『Band On The Run』をはじめとする、自身が残してきた比類ない作品群の中から選り抜きのレパートリーを披露している。彼は、2022年2月にこのツアーの日程を発表し、その後、まずはアメリカで16日ほどの大規模公演を完遂。それに続いて6月には、タイムズ紙が”史上最高のライヴ”と評したグラストンベリー・フェスティヴァルでの歴史的なヘッドライナー公演を行った。デイヴ・グロールと一夜限りのデュエットで「Band On The Run」を披露したのも、そのステージでの出来事であった。

その後、同ツアーでは6年ぶりとなるオーストラリア・ツアーも実現。現在はちょうどブラジルのベロオリゾンテを回っているところで、このあと同国のサンパウロ、クリチバ、リオデジャネイロで残りの公演が行われる予定となっている。

Written By uDiscover Team

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