“ゴルフ力”を試したい! 吉田優利は満を持して米ツアーへ

ツアーカードを手にした吉田優利(撮影/桂川洋一)

◇米国女子◇Qシリーズ(最終予選会) 最終日(6日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングコース(6664yd、パー72)

23歳は最後まで経験ある実力者としての姿勢を貫いた。最終日の2ボギー「74」が悔しくないはずがない。「でも、やっぱり勝負は6日間。1日勝負だったらきょうは最低な日になってしまったかもしれないけど、6日間を考えて(通算)19アンダーはまあまあかなと思います」。長い戦いを7位で終えた吉田優利はまず、米ツアー出場権獲得の事実に笑顔になった。

海の向こうへの扉を開いた(撮影/桂川洋一)

2016年の後半から日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチーム入りし、アマチュア時代から海外での試合を多くこなしてきた。米ツアーでのプレーはプロゴルファーとしての目標。転向4年目での予選会挑戦は「はい、もう決めてたんで」と頭にあったプラン通りだった。

表彰式で名前を呼ばれて(撮影/桂川洋一)

国内ツアーを主戦場としながらメジャー「全米女子オープン」、「AIG女子オープン」(全英女子)に参戦したのも、「このために出たようなもの」。エリートキャリアを描きながら、プロ生活の初めにじっくり腕を磨いてきた自負がある。「早く来ても良くなかっただろうし、これ以上、先延ばししても良くなかった。ベストだと思います」と満を持して海を渡る。

動画:2023年 Qシリーズ 最終日 吉田優利 ハイライト動画はオリジナルサイトでご覧ください

超一流選手たちとの争い、賞金やボーナス、あるいは海外での私生活…。日本とは違う魅力がある米ツアーで、楽しみなのは「やっぱりコース」だとワクワク感いっぱいに語った。

「日本などでは基本的にグリーンも(ボールが)止まりやすい。“ピンに打っていったもん勝ち”というのもあると思う。やっぱり“ゴルフ力”が海外のコースでは一番大事。そういう意味で、自分の(得意な)ショートゲームだったりをいっぱい生かせるようなゴルフをしたい」。たとえ海外選手にパワーで劣っても、培ってきたスキルと頭脳で戦い抜くつもり。「純粋に『ゴルフがうまくなりたい』という気持ちがさらに強まることを期待しています」

目標にしていた米ツアーへ(撮影/桂川洋一)

新シーズンは1月に開幕するが、ルーキーとしての最初の出場試合は不透明。「めちゃめちゃ楽しみですけど、どこを休んで、どこを出る…とか考えなきゃなとスケジュールを見て思ったので。どうしようかなという方が大きいです」。新たなステージ。胸に募る期待も、不安も、喜んで受け入れられる。(アラバマ州モービル/桂川洋一)

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