【インドネシア居残り交換日記】 Day 28 佐藤守彦(ジャカルタ)  2020年7月18日 カフェインレス(?)のテ・マニス

睡眠のコントロールが大切だと思うようになってから、午後6時以降はカフェインの摂取をできるだけ控えている。それは自然な入眠のためであり、予定通りの入眠は、予定通りの起床につながる。そして、予定通りの生活サイクルを回すことができる。そう信じている。

そして、コロナ禍。

自宅では、ネガティブな考えも、すがりたいポジティブな考えも、常に代わる代わる頭の中を回る。その堂々巡りの思考をスイッチ一つでオン・オフできればいいのに、現実はそうはいかない。ジャカルタでの日ごろの運動不足が、在宅勤務でさらに追い打ちをかける。こんなことではカフェインうんぬんの前に、自然な入眠など期待できない。睡眠のコントロールが難しくなった。

コロナ禍の食事はと言うと、特に夕食はデリバリーに頼ることが多くなった。お気に入りは、某店のアヤム・ゴレンのセット。アヤム・ゴレンにご飯、テンペ、キャベツ、キュウリの輪切りに、刻んだピーナッツの入ったサンバル。さらに、甘い紅茶(テ・マニス)が付いてくる。これを、午後7時から8時の間に食す。

なぜか、このテ・マニスは入眠を妨げない。素晴らしい。ゴミみたいな茶葉が浮いていたとしても構わない。諸手を挙げてファンになった。

ある時、このテ・マニスに変化があった。いつものように茶葉が沈殿していないのだ。味はさほど変わらないから、まあいいかと。しかし問題は、その後である。なかなか寝付けないのである。そもそも、紅茶といえば、カフェインが入っているものである。睡眠前に飲めば眠れなくなるのは当然だ(私の場合)。つまり、このテ・マニスは普通の紅茶になったのだろう。

では、これまで飲んでいたものは何だったのだろうか、という疑問が湧いてくる。紅茶ではなかったのか? 茶葉みたいに見えたのは実は茶葉ではなく、何らかの方法で茶色に色付けした、ただの甘い飲み物だったのか?

眠れなくなるが、ちゃんとしたテ・マニスと、眠れるが、わけのわからない飲み物……。そう言えば、以前はテ・マニスを翌日に飲んで、よく下痢したっけ。

佐藤守彦(さとう・もりひこ)
東京都生まれ。ジャカルタ在住。マーケター兼ライター。

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