速く走るこつは? 元五輪選手の青戸慎司さんが「かけっこ教室」、和歌山

もも上げを実演する青戸慎司さん(和歌山県上富田町朝来で)

 陸上男子100メートルの元日本記録保持者で、ソウル、バルセロナ両五輪に陸上短距離代表として出場した青戸慎司さんの「かけっこ教室」が、上富田スポーツセンター(和歌山県上富田町朝来)であった。園児や小学生、保護者計約130人が速く走るこつなどを学んだ。

 「かけっこ」はさまざまなスポーツの基礎となる重要な要素。南紀ウエルネスツーリズム協議会が、子どもに運動習慣を付けてもらおうと企画した。

 練習メニューは「姿勢」「腕振り」「早歩き」「もも上げ」「スタートダッシュ」の5種類。腕振りでは「腕の角度は90度。目の位置まで上げる。手は生卵を握る強さで」など具体的に助言し、「完全にコピーするのが上達の近道」とフォームを何度も実演してみせた。

 すさみ町周参見小学校4年の濱口己太朗君は「腕振りの大切さが分かった。家でも練習したい」、田辺市中芳養小5年の平阪颯馬君は「100メートルでライバルに勝ちたい。大会はいつも緊張するけど、できると思うことが大切だと学んだ。壁を突破し、全国大会に出たい」と目を輝かせた。

 青戸さんは和歌山市出身。バルセロナ五輪では400メートルリレーで第1走者を務め、60年ぶりの6位入賞に貢献した。100メートルの自己ベストは10秒28。脚力を生かし、長野冬季五輪にもボブスレーで出場した。

 青戸さんは「五輪選手はポジティブで、常にチャレンジし続けている。皆さんも無理と思わずに練習を続けてほしい」とエールを送った。

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