2年連続日本一 実力と心を磨き続ける大分高校書道部 【大分県】

大分高校書道部が2年連続で全国の頂点に立った。昨年に続き、「第28回全日本高校・大学生書道展」において、全国で1校のみが選ばれる最優秀賞に輝いた。個人の部でも3年生の河野凪紗と大野可愛が最高賞となる大賞を受賞したほか、多くの部員が好成績を収めたことが団体優勝につながった。大野は「最初はうまく書けずに悔し涙も流したが、冷静に反省をしながら気持ちを切り替えたことが結果につながった」と、苦しみながら手にした大賞を喜んだ。

代替わりした今年の初めに、自分たちが何を目指すのかを全員で話し合うミーティングを重ねた。その結果、「全日本高校・大学生書道展」と、書の甲子園と呼ばれる「国際高校生選抜書展」の頂点に立つという二冠を目標に定めた。大きな目標に不安もあったが部長を務める河野は「1年生も含め全員で技術はもちろん、書道に取り組む姿勢を統一できるようコミュニケーションを深めた」と、部長として1人の先輩として、これまで経験してきたことを伝えたという。

全日本高校・大学書道展大賞に輝いた河野凪紗(右)と大野可愛(左)

大会だけでなく、年間を通じてイベントや行事に参加することが多く、今年も県内の企業からの依頼でセレモニーや祝賀会で書を披露する機会があった。顧問の松下航教諭は、部員に対し「部活動を通して外部との関わりを多く持つことが、地域貢献につながっている。技術だけを学ぶのではなく、書道を通じて社会に出て必要な能力を身に付けてほしい」と礼儀やあいさつ、協力する心なども大切にしてほしいと話す。

目標としていた全国二冠の国際高校生選抜書展での団体優勝は逃したが、持ち前の団結力と日々の努力で技術を磨き人間性を高めている。常に意識高く「書」と向き合いながら、高い目標に向かって挑み続ける。

全日本高校・大学生書道展で連覇達成

(塩月なつみ)

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