寺から仏像を盗む、罰当たりな犯行の一部始終が、防犯カメラに映っていました。
平安時代に建てられた三重県鳥羽市の観音寺(かんのんじ)。
ことし8月、仏像を盗まれる被害にあいました。
寺の本堂に設置された防犯カメラの映像には、午後9時ごろ、ライトを片手に本堂を物色する人物の姿が…仏像が何体か置かれている棚や賽銭箱の周りにライトを当てて念入りに見ています。
その後も、本堂の中で怪しい動きを続けます。
(中道陸平記者)
「本堂を物色していた人物はこちらにあった仏像を盗んでいったとみられています」
映像が記録された2日後、お盆の準備のため本堂を訪ねた住職が、仏像が無くなっていることに気付きました。
(観音寺 永田蜜山住職)
「ひとつは許せないということですよね。どうして仏像を盗む人がいるのかな」
盗まれたのは、江戸時代後期に作られた摩利支天像。
高さはおよそ60センチ、重さは20キロほどで、鮮やかな色合いが特徴です。
(永田蜜山住職)
「ここを開けて、仏像を出して、車をまわして盗んでいった」
その様子は、別の場所に設置した防犯カメラにはっきりと映っていました。
勝手口の扉を開けると、仏像とみられるものを外に運び出し…今度は乗用車を勝手口近くに寄せると、トランクに積み込み、走り去っていきました。
1時間ほどの犯行でした。
さらに…この窃盗被害の6日前には、別の被害も。
(永田蜜山住職)
「もう1回ビデオを見返したら、賽銭を一回とりに入っているんですね」
カメラに映っていた賽銭を盗んだ人物は、仏像が盗まれた日の人物と姿が似ていました。
被害額は5000円から1万円ほど…住職は、詳しい被害額がわからないため、摩利支天像の盗難についてのみ、警察に被害届を提出し、警察が窃盗事件として捜査しています。
(観音寺 永田蜜山住職)
「こういう人が捕まらずにまた世の中に生きていくのは許せないことですし、みんなが拝んできたものですから、何とかここに戻ってきてほしい」