社長含め4人の会社が「日本おもちゃ大賞」優秀賞を獲得 「天然の木」にこだわり開発

今年の日本おもちゃ大賞優秀賞に輝いた「ズレンガミニ」

 滋賀県長浜市にある、社長を含めて4人の会社が作ったおもちゃの木製ブロック「ズレンガミニ」が、大手メーカーを抑えて今年の「日本おもちゃ大賞」の優秀賞に輝いた。開発にあたって重視した「木の手触りやぬくもりを大切にしたい」という会社のこだわりが受賞につながった。

 受賞したのは、同市鳥羽上町の「浅尾」(浅尾年彦社長)。同大賞は日本玩具協会が催し、15回目の今年は総数37社325点の応募があった。ズレンガミニは「エデュケーショナル・トイ部門」で大賞に次ぐ優秀賞を射止めた。

 製品は、子どもの手のひらくらいの大きさで、スギを使った長方形のブロックと、つなぎ目となる丸いヒノキ製ブロックを組み合わせて遊ぶ。今年6月に24ピース1万5840円で発売した。おもちゃの安全性を担保する同協会の「STマーク」も取得している。

 「無塗装・無着色」を売り物にする。天然木は湿度などにより伸縮する。このため木製ブロックは形状を保つため表面にコーティングを施すのが通常だが、浅尾社長は「それでは子どもが木に触れていることにならない」と主張。製造方法を工夫し、コーティングなしでの製品化を実現した。

 同大賞審査では「天然素材を使っているにもかかわらず、乾燥・加工技術により経年による寸法変化を抑えた」と評価された。

 製品の基は2018年に商品化したより大きい同型の「ズレンガ」だが、子どもが遊んでいるのを見た女性が「こんな大きなブロックを落としたら床に傷が付く」と「主婦目線」で忠告したのをきっかけにミニが誕生したという。

 10年からオリジナル商品作りに乗り出した同社は、もともと浅尾社長で3代続く材木店。木への思い入れは強く「国内で余っているスギを活用したい」と材料は国産に限っている。

 製品は11月に長浜商工会議所であった展示会に出展して人気を集めた。社員の青木栄次さんは「製品を通じて木の良さを知ってもらいたい」と語る。

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