「絵画は青春」99歳が個展 旅先で見たドイツの城、自宅近くの踏切も題材

旅先の風景を描いた油絵を展示する久松さん(向日市寺戸町・京都信用金庫桂川支店)

 京都府向日市の99歳の男性が油絵と水彩画の個展を、京都信用金庫桂川支店(寺戸町)で開いている。好きだった創作を70代から再開し、旅先の風景画などを描き続けてきた。新型コロナウイルス禍で個展を休止していた時期もあったが、国内外の風景画や静物画など30点以上を並べている。

 寺戸町の久松英一さん。子どもの頃から絵が好きで、戦時中もキャンバス代わりの板に油絵を描いた。戦後は農業機械部品卸業を起業。引退した70代から、本格的に絵筆を握るようになった。現在は週1回、以前の社屋に設けたアトリエで、友人とともに創作に励んでいる。

 青空を背景にそびえ立つドイツのノイシュヴァンシュタイン城、スイスのレマン湖畔にあるシヨン城といった思い出深い旅先の風景を描いた大作のほか、これまであまり展示してこなかった作品を並べた。最新作はオーストラリアのカカドゥ国立公園で、テレビで見た壮大な景色を描いた。水彩画は今回初めての公開。子どもの頃に亡くなった母親の実家「池酒造」の白黒写真に色を付けたり、自宅近くの踏切を題材にしたりした。

 久松さんは「『絵画は青春』という気持ちで描いているから、長生きしているのかな。生きている限り、描き続けたい」と話している。

 無料。12月20日まで(土日休み)。午前9時~午後3時。

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