防衛増税、25年も見送りへ 政府・与党、批判を考慮

霞が関の官庁街(右奥は国会議事堂)=東京都千代田区で2016年4月

 政府、与党が防衛力強化のための増税について、2025年の開始を見送る方向で検討していることが7日、分かった。増税方針を決定した当初は「24年以降の適切な時期」に実施するとしていたが、岸田文雄首相が10月に「24年度から実施する環境にない」と25年以降への先送りを表明。それでも根強い増税批判を払拭したい首相の意向も踏まえ、25年からの開始も困難と判断した。

 経済対策で打ち出した所得税と住民税の減税が24年6月から予定されるため、直後の増税は避けたいとの思惑もある。ただ先送りには裏付けとなる財源を確保できるかどうかが課題となる。与党が今月中旬にまとめる税制改正大綱でも防衛増税の開始時期について一定の考えを盛り込む方向だが、自民、公明両党で開きがあることから、具体的に時期を明記するか、あいまいな表現にとどめるかは今後調整する。

 防衛増税は法人、所得、たばこの3税を対象とし、段階的に増税して27年度時点で1兆円強の確保を図る。

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