北朝鮮、駐スイス大使を帰国へ 象牙密輸に関与疑惑、国連が調査

北朝鮮の韓大成駐スイス大使(右)=2022年6月、ジュネーブ(聯合=共同)

 【ジュネーブ共同】北朝鮮が韓大成駐スイス大使を帰国させることが7日、関係者への取材で分かった。年内にも離任する可能性が高い。アフリカの象牙密輸に関与した疑いがあり、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルやスイス当局が調査に着手。疑惑への調査を避けるため、北朝鮮が帰国を急がせているとみられる。

 北朝鮮は8月に新型コロナ対策の出入国規制を緩和し、9月にロシアから外交官を受け入れた。関係者によると、自国の外交官の交代を進める中で、韓氏の帰国が最優先事項の一つに選ばれた。後任人事や時期など詳細は不明。密輸発覚に対する責任を問われる可能性もあるという。

 専門家パネルは11月10日付で、韓氏と北朝鮮情報機関要員の男の計2人が象牙やサイの角の密輸に関わったとみて、ボツワナと南アフリカ、モザンビーク、ジンバブエの4カ国に、2人の身分証明書や銀行口座の取引履歴などの情報提供を求める書簡を送付した。

 ボツワナのメディアは9月、2人が19本の象牙と18本のサイの角を密輸するのに関与したと報じた。

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