津山「横野和紙」で卒業証書を 高田小6年16人が手すき挑戦

上田さん(右から2人目)に教わりながら卒業証書用の和紙をすく児童

 高田小(津山市下横野)6年生16人が4日、同市上横野の上田手漉(てすき)和紙工場を訪れ、岡山県郷土伝統的工芸品「横野和紙(津山箔合<はくあい>紙)」の卒業証書作りに取り組んだ。来年3月19日の卒業式で授与される。

 同工場の和紙職人上田康正さん(58)が指導。児童は原料のミツマタ、同小5年生が育てたトロロアオイを混ぜた水を木枠に竹簀(す)を挟んだ道具ですくい、前後に揺らして均一にならした。上田さんから「なるべく速く動かして」「水をすくいすぎないように」などと声をかけられながら、児童は真剣な表情で作業していた。

 女子児童(11)は「道具が重くて難しかったが紙が崩れないように上手にできた。卒業証書を自分で作れるのはいい思い出になってうれしい」と話していた。

 和紙は1週間ほど自然乾燥させた後にA4サイズに裁断し、植月美穂校長が児童の名前を書き入れる。

 同小では地域の伝統文化に触れようと6年間を通じ、紙すきやミツマタの川ざらしなどを体験する授業を展開。卒業証書作りは学習の集大成として2005年から行っている。

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