今週は中山競馬場で、第16回カペラS（GIII、ダ1200m）が行われる。砂のスピード自慢が集まるレースゆえ、先行馬総崩れの直線一気も珍しくないスプリント戦。おのずと配当妙味も上がるというものだ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。
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■カペラステークス2023 出走予定馬全頭診断
・アイスリアン
初のオープンクラスで勝利を収めた前走。稍重-不良馬場の成績【4.1.2.1】が示すとおりの道悪巧者で、馬場＋斤量53キロが味方した印象を受ける。翻って、今回は良馬場濃厚かつ斤量は前走比で2キロ増。連続好走は至難の業か。
・アティード
不振が続く近走だが、この馬で強調すべきは良馬場適性。中央場所の良馬場ダートは競走中止を除いて【3.0.0.2】と好走が目立っているのだ。9着に敗れた昨年も上がり3Fは3位。今回騎乗する田辺裕信との成績【3.1.1.2】も含め、穴妙味を感じる1頭だ。
・オメガレインボー
一昨年のこのレース3着馬。秋2戦は不振も3走前は重賞3着と能力は申し分なく、何らかの印は必要か。
・オールアットワンス
今回が初ダートとなる馬。近年の好走は直線1000mに限定されており、強調材料は乏しい。
・オーロラテソーロ
年明けは不振傾向にあったが、4走前から堅実に走っている馬。なかでも3走前は中団から上がり3F2位の脚で差し切り勝ちと、普段とは異なるスタイルを確立してみせた。中山で目立った良績がない点は気がかりも、ハイペース想定で警戒したい差し馬だ。
・カイザーメランジェ
ダートでは【0.0.0.5】と好走歴がない馬。厳しい。
・スズカコテキタイ
一気の4連勝でオープンクラスを制した馬。前走は案外な結果に終わったものの、使い詰めによる影響もあったのかもしれない。12-2月の中山ダート1200mは【3.0.0.1】。秋競馬の重賞で穴連発の岩田康誠が関東遠征で騎乗する点も不気味に映る。
・タガノクリステル
重-不良馬場の成績【4.2.1.1】に対し、良馬場は【1.0.4.5】と凡走が目立つ馬。パサパサに乾いたダートが予想される週末の中山を踏まえると、ここは様子見が妥当か。
・チェイスザドリーム
ダート1200mかつ外枠を引いた近2走は馬券外。絶好の条件と思われただけに少々不満が残る内容だった。過去10年のカペラSにおける牝馬の成績は【0.0.1.18】。一変を望むには酷に映る。
・テイエムトッキュウ
中山ダート1200mでは【2.1.0.0】連対率100％。前走はダートで初の馬券外も、勝ち馬と0秒1差なら悲観する内容ではない。先行争いが激しくなりそうなメンバー構成で脚質に融通が利かない点こそあれ、ノーマークは禁物だ。
・デュアリスト
酷量をものともせず好走を続ける近走。そんな馬が斤量57キロで臨めるのは、それだけで大きなアドバンテージと言えそうだ。今回のメンバー構成なら差す競馬が濃厚。再度の好走を警戒したい。
・ピンシャン
フタ桁着順が続く現状。厳しい。
・ベルダーイメル
かつては先行力を売りにしていたが、脚質転換を経て再浮上。全6勝中3勝が距離短縮ローテとペースアップによる刺激が加わることでパフォーマンスを上げる印象から、経験の少ない中山替わりでも末脚炸裂は警戒すべきだろう。
・メタマックス
条件戦を連勝し臨む馬。逃げ切り勝ちの前走内容からスピードは証明済みだが、当時の勝ち時計は1週前の1勝クラスより遅い。砂を被ると脆さをのぞかせるタイプでもあり、非凡なポテンシャルを認めつつ慎重な評価が必要だ。
・ラプタス
実績がある地方交流重賞でも勝ち馬と1秒以上離される競馬が続く馬。変わり身は望み薄か。
・リュウノユキナ
昨年、一昨年とこのレースで2着。地方交流GIでも馬券内があるように、ダート短距離路線ではトップクラスの1頭だ。唯一の懸念材料があるとすれば斤量58キロと毎レースごとに下がる初角通過順だが、積み重ねた経験値を軽く扱うことはできない。
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UMAJIN.netより一部編集・転載（2023年12月7日 18：01公開の記事）
著者プロフィール
田原基成（たはらもとなり）●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。
