犬が『尿路結石』になっている時に見せるサイン4つ 主な症状と飼い主にできること

犬が尿路結石になっている時に見せるサイン

尿路結石は、膀胱から尿道までの器官に発症する、下部尿路疾患のひとつです。犬の尿路結石には、「ストルバイト結石」と「シュウ酸カルシウム結石」があります。

実は、我が家のポメラニアンは、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石のどちらもあり、経過観察と予防を続けているところです。小さなサインを見逃さないことが大切だと実感しています。

では、犬が尿路結石になると、どのようなサインが見られるのか、解説しましょう。

1.何度もおしっこに行く

犬が尿路結石になっている時に見せるサインは、何度もおしっこに行くことです。

1度目は大量のおしっこが出ます。いつも通りの量です。しばらくして2度目のおしっこに行くのですが、少量です。またしばらくして3度目のおしっこに行くのですが、ほんの1滴しか出ません。

これが、わずか10分程度の出来事として起こります。落ち着きなくそわそわして、なぜそんなにおしっこに行きたがるのか、すぐに異常なサインであることに気づきます。

2.出ないのにおしっこをしたがる

犬が尿路結石になっている時に見せるサインは、出ないのにおしっこをしたがることです。

すでに何度もおしっこに行っています。それでもトイレシートに座ります。しかし、もう1滴も出ません。明らかに異常であるサインです。

3.おしっこを出すとき痛がる

犬が尿路結石になっている時に見せるサインは、おしっこを出すとき痛がることです。

「キャンッ!」と甲高い声で鳴きます。メス犬であれば、(座るときにどこか痛いのかな?)と感じます。オス犬であれば、(足を上げるときにどこか痛いのかな?)と感じます。

しかし、おしっこをするとき以外にどこかを痛がることがありません。おしっこをするときに限って痛がって鳴くのではないか、異常を知らせるサインであることに気づくことができます。

4.おしっこに血が混じる

犬が尿路結石になっている時に見せるサインは、おしっこに血が混じることです。

少量の血であるうちは、なかなか気づけません。明らかなおしっこの色の変化によって、異常に気づくことができます。

また、おしっこを出しきってしまったとき、真っ赤な血が1滴、トイレシートに落ちることがあります。膀胱か尿道までの器官に異常のあるサインです。

飼い主にできること

おしっこの異常サインが出たときは、すぐに動物病院へ行きましょう。

  • エコー検査
  • レントゲン検査
  • 尿検査

このような検査を要する場合があります。

我が家のポメラニアンは3つ全ての検査を受けましたが、おしっこにはストルバイト結石が混じっていることが分かりました。そして、レントゲン検査では、膀胱内に2つの小さなシュウ酸カルシウム結石が存在することが分かりました。

犬が尿路結石になったとき、飼い主にできることは、治療・経過観察・予防です。

ストルバイト結石は、療法食や投薬によって溶かし、おしっこと一緒に排出することができます。シュウ酸カルシウム結石は療法食や投薬では溶けない結石です。そのため獣医師の判断によって、経過観察である場合もありますし、手術によって取り出す必要がある場合もあります。

食事管理

飼い主にできることは、食事管理によって、愛犬の尿のpHをコントロールすることです。pHコントロールが可能な療法食に切り替えるだけでOKです。

尿路結石の原因となる、マグネシウム・カルシウム・リンなどの栄養バランスが調整されたドッグフードです。

ペットショップやホームセンター、ネットショップなどで購入できますが、このような目的のフードには「結石を溶かす効果のある療法食」「結石ができにくいようにする効果がある療法食」「適度にミネラルを調節した総合栄養食」など、パッケージだけでは確認しにくい分類がなされています。必ず獣医師に相談してください。

常に新鮮な水を飲めるようにすること

尿路結石の原因には、水を飲む量が少ないことがあげられます。常に新鮮な水を飲むことができるよう、飲み終えていなくても入れ替えるなど対応してあげてください。

もしも水を飲みたがらないことがあれば、水以外のものからも水分が摂れるよう、工夫してあげてください。

まとめ

犬が「尿路結石」になっている時に見せるサインを4つ解説しました。

  • 何度もおしっこに行く
  • 出ないのにおしっこをしたがる
  • おしっこを出すとき痛がる
  • おしっこに血が混じる

普段から、愛犬のおしっこの回数・量・色・においなど、観察しておくことが大事です。小さなサインにもすぐに気づくことができます。

愛犬に「尿路結石」になっている時に見せるサインがあらわれたら、すぐに動物病院へ行きましょう。

(獣医師監修:平松育子)

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