ハンコックが2025~27年のWRCタイヤサプライヤー契約を獲得。ピレリによる供給は2024年で終了

 ピレリによる単独タイヤ供給が2024年に終了することが発表されて以来、どのブランドがこの役割を引き継ぐのかに関心が集まっていたが、韓国のタイヤメーカーであるハンコックが入札を勝ち抜き2025年以降のWRC世界ラリー選手権におけるタイヤ・サプライヤーの独占契約を獲得した。

 韓国のみならずアジア、ヨーロッパ、そして日本でもその名が知られるハンコックは、最高峰のラリー1だけでなく、サポートカテゴリーであるWRC2や若手の登竜門とされるWRC3、ジュニアWRCといった育成カテゴリーのマシンへのタイヤ供給も担当する。

 2025年から27年まで続くハンコックのタイヤ・サプライヤー契約は、12月6日にFIA世界モータースポーツ評議会での投票によって承認された。これは2021年から4年間にわたる単独タイヤ供給契約を結んでいるイタリアのタイヤブランドが、現在も実施している供給活動を2024年に終えた後に実行される。

 国際モータースポーツの分野を長年にわたってリードしてきたハンコック。韓国のブランドはとくに2023年からはABB FIAフォーミュラE世界選手権やERCヨーロッパ・ラリー選手権のジュニアERCカテゴリーへの供給を開始し、国際的なカテゴリーへ積極的に参加する姿勢を見せている。

「WRCのエキサイティングな新章を迎えることができ喜びを感じると同時に、2025年から3年間、ハンコックを独占タイヤ・サプライヤーとして迎えられることをうれしく思う」とハンコックを歓迎したのは、WRCプロモーターのスポーツ・シニア・ディレクターを務めるピーター・トゥールだ。

 同氏はハンコックに対する歓迎の言葉とともに、これまでWRCマシンの足元を支えたピレリに対する感謝も述べた。

「ピレリに対しては、ここ数シーズンを通じて貴重な貢献をしてくれたことに心から感謝している。彼らのパートナーシップに対する評価は非常に高いものだ」

 WRCとのタイヤ・サプライヤー契約に際し、ハンコックタイヤ&テクノロジーのスイル・リー社長兼CEOは次のようにコメントしている。

「WRCは豊かな歴史と多くの熱心なファンを持つ、世界的かつもっとも華やかなモータースポーツのひとつだ」

「この度、ハンコックタイヤが2025年からWRCのパートナー、そして新たな独占サプライヤーとなれることを非常に喜ばしく、誇りに思っている」

ピレリのWRC用タイヤ。ターマック(舗装路)・ドライ路面用のPゼロと、同ウエット路面用のチントゥラート(左)

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