冬の主役たち(1) バスケットボール女子 明豊 「ルナミユ」の名を全国にとどろかせる 【大分県】

年末年始に開催される冬の高校スポーツ全国大会。県代表として出場する高校から、注目が集まる個人選手をピックアップした。

全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場する明豊のエース末永瑠奈とポイントガード原田美優の2年生コンビが、チームの命運を担う。2人とも中学までは、全国大会での主だった成績はないが、今大会で明豊の名と共に「ルナミユ」コンビとして売り出す覚悟だ。

明るく「陽キャラ」全開の末永は、チームのムードメーカーであり、得点源として期待がかかる。杉山真裕実監督は「彼女のドライブが試合の入りでバシッと決まれば、チームは勢いに乗る。全国でどれだけ通用するか未知数だが、楽しみ」と期待する。体幹が強く、ゴールからやや離れた場所で1対1を仕掛けて、ドライブからのレイアップを決める。シュートレンジも広く、力みのないフォームでジャンプシュートや3点シュートを決めることもできる。ウインターカップ県予選前に購入した、チームカラーと同じピンクのシューズで全国デビューを飾る。「最高に目立ちたい。強気で攻める。エンジン全開で最初からドライブを仕掛けたい」と意気込む。

チームの得点源となる末永瑠奈

末永がボールを欲しい時に、絶妙のタイミングでパスを出すのが原田だ。もちろん末永だけを見ているわけではない。個性の強いメンバーの動き、その日の調子、心情を読み取ってパスの配分を決める。攻撃の起点が偏るとパスを散らし、相手に的を絞らせないゲームメークを考えている。クールなイメージだが、誰よりもバスケットボールに対する情熱があり、勝利を欲する。研究熱心で、対戦相手の試合を何度も見直し、分析する。アニメ好きの一面もあり、「僕のヒーローアカデミア」の「推しキャラ」という爆豪勝己のように、「自分がNo.1のヒーローになる」という確固たる信念を持つ。

互いを「相棒」と呼ぶ末永と原田は、高校入学当初から仲がいい。学校や寮では、いつも一緒にいるわけではないが、互いを「家族のような関係性」と表現するように絶対的な信頼関係を築いている。絶妙な距離感はコートでも発揮されるはず。彼女たちにしか見えないコースにパスを通し、相手を翻弄(ほんろう)してゴールを決める。そのコンビネーションで見る者を魅了するつもりだ。

末永瑠奈(右)と原田美優(左)の「ルナミユ」コンビ

(柚野真也)

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