G7水戸、8日開幕 内務・安全相会合 テロや詐欺、7テーマ 茨城

G7水戸内務・安全担当相会合のメイン会場となる水戸市民会館に掲げれたカウントダウンの電子看板=7日

先進7カ国(G7)内務・安全担当相会合は8日、茨城県水戸市で開幕する。国際テロやサイバー犯罪、児童の性被害の防止といった従来の課題に加え、国境を超えた特殊詐欺グループや不正な手段による先端技術の流出など主に七つの課題の対策について議論する。最終日の10日に成果文書を発表し、参加国の結束を確認する。

茨城県でサミットの関係閣僚会合が開催されるのは、2016年のG7科学技術大臣会合(つくば市)、19年のG20貿易・デジタル経済大臣会合(同)に続き3回目となる。

日本、イタリア、カナダ、フランス、米国、英国、ドイツ、欧州連合(EU)の各閣僚と国際刑事警察機構(インターポール)の代表が参加。松村祥史国家公安委員長が議長を務める。

水戸市民会館(水戸市泉町)をメイン会場に、会期は3日間。初日の8日は国と県や市など37団体でつくる推進協議会の共催で歓迎レセプションを開き、9、10両日で7議題について意見を交わす。

議題の一つ「経済安全保障」では、産業技術総合研究所(つくば市)で中国籍研究員(当時)の関与が疑われる研究データ流出事件を例に、産業スパイが狙う先端技術をどう守るかをテーマに話し合う。「サイバー空間の安全確保」はハッカー集団による攻撃や情報流出の防止策を探る。

「児童の性的詐取、暴力」では子どもの性被害を防ぐため、交流サイト(SNS)事業者との協力を模索する。「ウクライナ支援」はロシアの侵攻に対してニーズを満たす支援ができるかを議論。「生成AI」は人工知能(AI)の悪用の可能性を話し合う。

「国際犯罪組織」は、広域強盗事件を指示したとされる国外拠点の特殊詐欺グループの事件に焦点を当てる。「過激主義とテロ」は対策の継続や強化を確認する。

推進協議会は「茨城県の知名度を高める契機」としたい考え。これまでPRデザイン作成やデジタルサイネージ(電子看板)のカウントダウン、中学生による安全サミット、産官学のシンポジウムなどで開催機運の醸成を図ってきた。

8日の歓迎レセプションでは、県産食材を使った料理を提供し、郷土民俗芸能「水戸太鼓」の演奏などを披露する。各国閣僚らへのおもてなしを通じて茨城や水戸の魅力を世界に発信する。

会場周辺では県警が警備を強化している。期間中は市内で交通渋滞が予想されるため、公共交通機関の利用を呼びかけている。

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