梅宮アンナ51歳、更年期を“たのしい10年”にする秘けつ~自身最大の転機を語る

モデルでタレントの梅宮アンナ(51)が12月2日、東京・原宿で行われた『私の30代、40代そして更年期の過ごし方』をテーマにしたトークショーに出席。自身の経験からカラダを動かすことの大切さや、病気にならず、よりよい生活を送るためのヒントについて語った。

主催したのは、主婦の友社が手がける『AfternoonAge Project』。更年期は誰にでも起きる体の変化であり、人生の折り返し地点ということで、更年期という言葉が持つネガティブなイメージを変え、声に出しやすい環境づくりや、男性側の理解や配慮、若い世代の教育などを通して、誰もが悩みをオープンに語り合える社会へ向けて、社会全体で取り組んでいくべき課題を発信するというプロジェクト。今回は「ココロとカラダにもっといいものを知ろう! 見つけよう!」をテーマに、見て、知って、参加して、シェアしてもらう場所づくりとして『フェムの市』が2日間にわたり開催され、スペシャルゲストとして梅宮アンナが登壇した。

『オトナサローネ』井一美穂編集長とトークショー

■「頑張ることが嫌い」・・・キッカケは30歳になった頃

――2001年に28歳で結婚。2002年に百々果さんを出産、30歳で離婚という波乱万丈の30代のスタートを迎えた。元々健康には気をつけていたのか?

10代20代の頃って一番、この仕事が全盛期の時、正直運動とか一生懸命やって、というライフスタイルではなかった。学生の時から部活もやっていなかったですし、運動癖がついていなかったので、むしろ嫌いでした。嫌いなものがたくさんあるんですね。野菜が嫌い。頑張ることが嫌いとか、健康になる要素がひとつもないまま若い時を過ごして。30 歳にして一番の壁にぶつかるんですね、人生の。今まで自分が順風満帆にやってこられたことがウソみたいに何ひとつうまくいかない。それが30代の頭でしたね。夢を描いて結婚するわけですよ。私の仕事は結婚とか離婚ってすごく大問題になるので、そこも踏まえてなんですけど、なんでこんなに夢を持ってやっていたのに、すべてが崩れ落ちるんですね、一瞬で。私の思い描いていた結婚ってこんなものなんだっていう。あと私が13年ほどお世話になった会社を退社するんですけども。本当に何も武器がない状態からの30歳のスタートだったんですね。

トークショーでは娘の出産にともない35㎏太ったことも明かし、離婚や退社も重なり次第にメンタル的にも追い込まれていったというアンナさん。自分自身のココロやカラダに目を向け始めたのが、ちょうど30歳になった頃だった。

――そこから体を動かすことを意識するようになった?

妊娠した時が56㎏ぐらい、結構筋肉があって重いので。ひたすら歩きました。毎日10㎞歩いたり、早歩きですね。やっぱり体重が重いと動けないので。あとは雑誌に出ている後ろのページのところのダイエットページ、あらゆるものを全部試して。たとえば左手で食べるとスピードが遅くなるからとかありましたし、リンゴがいいと言えばリンゴを食べたし。あらゆるものをやりましたね。

有酸素運動と食事の管理を徹底することで、妊娠して35㎏太った時からの約1年半で元の体重に戻した。

■最大の転機は37歳の頃・・・マラソンを始めて得たコト

当時は雑誌の仕事をしていまして、たまたまマラソンをする編集長だった。「アンナちゃん、やんなさい。走れば痩せるから」と言われて、私かなり努力して痩せたんだけど、まだ雑誌では通用しないんだっていう。モデルさんって全員細いので、まあそっかと思って。編集長わかりました。じゃあやります。もちろん来年ですよねって言ったら、「いや今年だよ」。ホノルルマラソンだったんですけど、ホノルルマラソンって12月なんですね。それを言われたのが9月の頭です。私走ったこともないのに、っていうところから。編集長がこう言いましたね私に「人間はね。追い込まないとならない。来年やろうって言ったら多分やらないよ。明日から」と言われて、最初嫌々やりまして。コーチもつけていただいてやるんですけど、本当に5分と走れません最初。どうにかこうにか約3か月のトレーニング期間でやったら、なんと5時間55分でゴールしたんですね。それが私の人生、初めて自分にほれた瞬間でした。

私やればできるのっていうところに初めて30歳後半37歳で、自分に泣くって生まれて初めてで。他人には散々泣かされてきましたけど、こういう経験って私に多分必要なことだったのかなっていう。それ以来、目の前にやってくる何でもうれしいことも、つらいことも悲しいことも全部自分に必要な時、今日この日が、これが私に必要なんだというふうに思うようになって。その夜、もうすでに次のエントリーを考えまして「世界のマラソン」って(検索を)やったんです、なぜか。そしたら砂漠って出てきて、砂漠を走るレースがあるんですね、究極の。そこでもうすでにエントリーして1年半後の。サハラ砂漠を1週間で250km、自給自足で行く大会があるんですけど。どうかしちゃったの?ってよく言われるぐらいの内容の大会なんですけど、そういうことを経験していったんですね。

大切なのは、苦手意識を克服する努力

――すべて大嫌いなものから始まっていく?

そうですね。たとえば今もう食べられるようになった納豆。納豆はなんで嫌いかっていうと臭いから嫌いで、だけど体にいいんですよ、やっぱりすごく。嫌いなものを嫌いなまんま死んじゃうのってどうなのかなって、30代40代で気づいちゃって。だから苦手、これ嫌とかっていうのは、なるべく克服する努力をしていっていますね、今でも。

■更年期症状「ほぼ感じないが…娘に言われます」

――それが30代後半の体験で、そこから40代50代とこれから進んでいくなかで、40代に入ると多くの人は更年期症状を感じ始めますが、アンナさんは、ほぼ感じていない?

ほぼですね。実のところ更年期かなっていうのは、たとえば娘に言われます。イライラして怒るじゃない。怒りますよね、娘は。そうすると全部更年期のせいにするんですね。そうすると、なんとかの母とかいうのを置かれて、薬が足りないよとか言うから、いやいやそれは更年期と関係ないと。あなたの問題で、あなたが私をそうさせるっていうふうに、いつもこちょこちょしたケンカがあるんですけども。そういう症状が私51歳ですけど、もしかするとなっているのかもしれないんですけど、感じないんです。

――感じないほど忙しくしているのか?

わからない。こう言っても明日襲ってくるかもしれないんですけど、やはり体を動かすことっていうのが、もしかしたらとても大事なことかもしれないなっていうのは今思っています。なるべく外に出て、太陽に浴びて、皆さん日焼けを気にして太陽嫌いっていう人多いんですけど、太陽っていうのはすごく大事なもので、何でもそうですよね。お米だって太陽がなかったら育たないし何でもそうですよ。木だって何でもやっぱり程よい水と太陽があって、すくすくと元気になるんで、それと一緒で植物とか動物もそうですけど一緒のことで、人間もやっぱり太陽に浴びて、シミ、私もいっぱいあります。だけど、シミより太陽を浴びる自分を大事にしてほしいと私は思っています。

――具体的に、アンナさん流の歩き方とは?

私がSuicaを持っていることがすごく珍しがられるんですよ。ピッってやる瞬間がたまらなく幸せで(笑) 皆さん「えっ?」て思うかもしれないですけど、それだけ普通のことを普通にやってこられなかった時間がいっぱいあって、昨日も随分乗りました電車に。とにかく皆さん車じゃなくて駅まで歩くんだったらそれも正しいし、1日だいたい理想を言うと8000歩です。私のペースで1時間ぐらいかなというところですかね。最低30分は歩いてほしいと思います。

更年期を“たのしい10年”にするために必要なコト

■絶対必要な『趣味』を通して、質の良い人生を…

今年からゴルフを本格的に始めて21㎏減量したというアンナさん。これから60代70代と進んで老年期が近づくなか、母・クラウディアさんと同居して学んだことや年の重ね方、気をつけていることについても語ってくれた。

来年3月で母は80歳になるんですけど、普通の80歳に比べるとクラウディアさんは若い感じがするんですけど、母はやっぱり年を取ったなと子供としては切なく思うことがいっぱいあるんですけど、年を取って絶対必要だなと思うことは趣味ですね。趣味を持たないと、よく仕事が趣味という人がいるんですけど、私はそれは違うかなと思っていて、仕事以外に夢中になれる何かを見つけたらすごく人生は質の良い、いいライフスタイルが送れるんじゃないかなと思います。ただ余裕がないと趣味はできません。私がそうでした。どこかで余裕がないと、何でもそうです。実際本当に余裕がない時は他人のSNSとか見られませんでした。見ると変な感じがするんですね。自分とどこか比べます。人間の当たり前の心理かなと思うんですけど。他人のSNSを見られるような状態に自分を何が何でもあげることが大事だと思います。

そこは趣味でもいいんですけど、私は今、父(梅宮辰夫さん)が他界して4年たって、ようやく今年ゴルフができたのも自分に余裕ができたからだと思うんですけど、実際体重も落ちてすごく軽いんですね体が。これを機に絶対太らないと決めているのと、今年は山登りがスケジュールに入っていて、山に行ってきます。山で鍛えられたんですよすごくトレーニングが。30代の砂漠から始まって土を踏むってことがすごく大事で。景色を見る、五感がとても気分が良くなったんですね私は。今後もそういう形で自分を高めていこうかなと思っているところです。

――嫌なこともシャットアウトせずに乗り越えていく?

世の中こうやって仕事して誰かが食べさせてくれるわけではないので、自分で頑張らないと今後、母もいますし娘もいますので、自分が大黒柱みたいになってるので、やっぱり体を壊さないこと。仕事もほどほどにしないといけない。そういうバランスを自分で自分に向き合っていかないと。良くも悪くも自分なので。

――最後にメッセージをお願いします

皆さん本当にちょっとでもいいので、体を動かすことを癖にしてほしいと思います。何もやらないよりは、やはり体は汗を出さないと意味がないんですね。そうすると心も変わってくるし、落ち込むのも運動をやっているとそうならないようになっていくので、私みたいに激しいのをやれとは言わないんですけど、山登りとか、そういうものを趣味にされるといいと思います。私はまた来年トレイルランに戻ろうかと思っているので。7月に大会があるので、今月山登りにトレーニングになるので行こうかなと思っています。今後もこういう形でまた皆さんにお会いできる日が来るといいと思っています。実際本当に私もSNSを通して、よりよい情報を皆さんにお伝えしていくということは変わらずにやっていきますので。あと、SNSも自分では足りていなくてYouTubeなんかも来年から始めようかなと思っています。本当のリアルな情報を伝えるYouTubeをやりたいと思っていますので、皆さん今後ともよろしくお願いいたします。皆さん、病気にならないでくださいね。よりよい質の良い生活を送っていただきたいなと思います。

■AfternoonAge(アフタヌーンエイジ)とは
日本人女性の平均寿命である88歳を24時間に例える「人生時計」によると、「更年期」と言われる45~55歳は、「アフタヌーンブレイク」の時間帯にあたる。誰にでもある人生の折り返し地点。「After moon」(月経の終わり)が「Afternoon」にあるようなゆっくり・優雅・ブレイクタイムといった豊かさを含んだ時間を過ごせるようにと思いを込め、オトナサローネ編集部は『アフタヌーン エイジ』と名付けた。

【梅宮アンナ Profile】
1972年8月20日 東京都出身 身長168㎝
『JJ』の看板モデルとして活躍、『CLASSY.』、『VERY』などの人気女性誌のカバー、専属モデルとしてカリスマ的な人気を博す。
その後もTV、ドラマ、CM、イベント、洋服のプロデュースなど幅広く活躍。
父は俳優の梅宮辰夫。母は元モデルでアメリカ人の梅宮クラウディア。
2002年に女児を出産、ママタレントとしても活躍中。
エジプト サハラ砂漠を250km走るマラソンのサハラレースに2010年に出場。7日間かけて食糧と寝袋を背負って砂漠を走るレースに出場し、人生感を変える挑戦となった。現在もトレイルランの大会にも多数出場している。
また、介護や相続、資産管理など自身の体験を元にした社会的なテーマの講演活動も行っている。

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