GDP下方修正、年率2.9%減 7~9月、個人消費が悪化

実質GDP成長率の推移

 内閣府が8日発表した2023年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価の変動を除いた実質で前期比0.7%減、年率換算は2.9%減だった。年率2.1%減だった速報値から下方修正した。過去の数値の改定により、4四半期ぶりのマイナス成長となった。最新の統計を反映し、速報値の段階から不振だった個人消費を一段と引き下げた。

 長引く物価高が、新型コロナ禍から回復してきた日本経済の重荷となった形だ。海外経済の減速による輸出への影響など不安材料は多く、早期に成長軌道へ戻れるかどうかは不透明だ。

 内需を支える個人消費は、前期比0.04%減だった速報値から0.2%減に下方修正した。食料品や衣服が悪化した。一方、設備投資は0.6%減から0.4%減に引き上げた。財務省が1日に公表した7~9月期の法人企業統計を反映した。

 住宅投資は0.1%減から0.5%減に、公共投資は0.5%減から0.8%減に、それぞれ下方修正。輸出は0.5%増から0.4%増に、輸入は1.0%増から0.8%増に引き下げた。

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