【竹田】竹田市の着物文化を盛り上げようと、母親世代を中心につくる「竹田着物部」(赤嶺えり子代表)が精力的に活動している。着付けの講座を開いたり、先月は市民らから譲り受けた着物を使って着用シーンを提案する「竹田まちなか文化祭」を初めて開催。“着物が似合うまち・竹田”を発信している。
部は、ミニバスケットボールのクラブに子どもが通う着物好きな母親3人で昨年2月、結成。現在は十数人で活動している。
着物を着て出かけるイベントなどを催し、インスタグラムで着物姿が映える市内のスポットを紹介。家庭で眠っている着物の受け皿にもなり、これまで100着以上が提供された。
同文化祭は寄付者へ感謝を伝える目的も兼ねて市内竹田の竹田創生館で開いた。「き物語り~着物の一生」をテーマに、人生のさまざまな場面を着物が彩る様子を劇形式で表現。寄付された品を中心に身にまとい、約50人の来場者を前に夏祭りや卒業式、成人式などのシーンを演じた。
市内の名物行事・たけた竹灯籠「竹楽」などの場面を盛り込んだ他、親から子へと世代を超えて着物が受け継がれていくエピソードを取り入れ、「竹田でずっと生きていく」とのメッセージも届けた。
赤嶺代表(44)は「地元の子どもたちに魅力を伝え、気軽に着物を楽しめる、着物文化が根付くまちになれば」と話した。
■直入中生徒が着物体験
竹田着物部は竹田市直入町の直入中を訪れ、2年生15人に着物を体験してもらう教室を開いた。
家庭科などの授業の一環。生徒は同部が持ち込んだ着物の中から気に入った物を選び、部員に着付けをしてもらった。その後、長湯温泉療養文化館「御前湯」に出かけて写真を撮った。田辺凛花さん(14)は「着ると気持ちが高揚した」。
同部の赤嶺えり子代表は着物の歴史や部の活動について説明し、「着物にはそれぞれ持ち主の思い出が詰まっている」と話した。