【2023年シーズン日本人選手名場面⑤】復活のマエケン! 続投志願で678日ぶりの勝ち星

2021年9月に受けたトミー・ジョン手術から1年8ヶ月、591日ぶりに公式戦のマウンドに帰ってきたツインズの前田健太。復帰から5先発目のタイガース戦では、あと1アウトで勝利投手の権利を得る場面で監督代行が交代を告げるためマウンドに向かった。

メジャー6年目の2021年9月に右ひじのトミー・ジョン手術を受けたツインズの前田健太が4月5日、1年8ヶ月ぶりの復帰登板を飾った。5回を投げて被安打は3本、1失点と好投するも打線の援護がなく敗戦投手となった。

その後は3度先発するも3連敗を喫し、4月下旬には右上腕三頭筋の張りで故障者リストに入った。そこから約2ヶ月ぶりとなる日本時間6月24日、デトロイトで行われたタイガース戦で再びマウンドに戻ってきた前田は、4回まで無失点の好投を見せる。しかし、5回一死からミゲル・カブレラにヒットを許し、二死後には四球を与えてしまう。二死1・2塁になったところで、2回に暴言で退場となったロッコ・バルデリ監督に代わって指揮を執っていたベンチコーチのジェイス・ティングラーが交代を告げにマウンドへ向かった。

いつもなら交代の際に意見を言わない前田だが、この日は違った。「ノー」を連呼し、「ワンモア」と続投を志願。スイッチが入った前田は続く1番打者のザック・マキンストリーを2球で追い込むと、4球目に外角低めの84マイル(約135.2キロ)のスプリッターで空振り三振に仕留め、678日ぶりの勝利を挙げたのだった。

自身のSNSでも勝利の喜びを投稿した前田。その後、9月には3勝を挙げ、チーム3年ぶりの地区優勝に貢献。ポストシーズンでも2試合に中継ぎで登板した。

オフにFAになると、最初にオファーをくれたタイガースと契約。その報告とともに、SNSではミネソタでの4年間への感謝を投稿すると、地元ファンから多くの感謝のコメントが寄せられた。

Coming to the 313!

We have agreed to terms with RHP Kenta Maeda on a two-year contract worth $24 million. Maeda will make $14 million in 2024 and $10 million in 2025. pic.twitter.com/hKtyh6VvCl

— Detroit Tigers (@tigers) November 28, 2023

タイガースと2年総額2400万ドル(約35億5000万円)で契約を結んだ前田。そのうち、計12万ドル(約1780万円)を2年間にわたって地元ミシガン州の子どもたちの野球支援などを目的に2005年に設立されたタイガース財団への寄付にあてる。

来季からは、ベテランとして若手先発投手へのお手本としての役割も期待される前田。地元のファンに愛され、真の復活を遂げて好投する姿が今から目に浮かぶ。

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