【Stats Leaders⑥(奪三振王)】球界最高の決め球で打者を翻弄した2人の奪三振マシン

今季の奪三振王は、ともに球界最高の決め球を持つ両雄が獲得した。ア・リーグはスプリッター、ナ・リーグはスライダー。それぞれの球種でメジャー最高の空振り率を記録している。

ア・リーグはメジャー11年目、3年連続で200奪三振を超えたブルージェイズのケビン・ゴーズマンが初タイトルを獲得。ゴーズマンは「球界最高の決め球」と呼ばれるスプリッターを武器に237個の三振を奪った。

ゴーズマンの投球のなかでスプリッターの比率は2021年、2022年は35.5%だったが、今季は38.4%に上昇。4シームが50.8%だったので、この2球種で89.2%を占めている。今季奪った237三振のうち、半数以上である126個をスプリッターで奪った。そのスプリッターの空振り率はメジャートップの43.2%を誇り、2位であるアレックス・カッブ(ジャイアンツ)の24.6%を大きく離していた。奪三振率41.9%も2位のタイワン・ウォーカー(フィリーズ)の21.7%を大きく離す高数値だった。

一方のナ・リーグは、実質メジャー2年目の24歳、ブレーブスのスペンサー・ストライダーが、こちらは球種別空振り率55.3%、奪三振率50.9%の両方でメジャー最高を記録したスライダーを武器に281三振を奪った。

ストライダーは2021年10月2日にメジャーデビューしたが、中継ぎで2登板しただけなので、実質2022年がデビュー年となり、その年から先発に回った。すると、9月2日には球団記録となる1試合16三振を奪うなど、202奪三振を記録。また、130イニングでの200奪三振達成は2001年にランディ・ジョンソンが記録した130回2/3を更新する新記録であり、鮮烈なデビューイヤーとなった。

今季は123回2/3で200奪三振を達成し、自身の持つ最短記録をさらに更新。そして、そのときに打席に立っていたのは、エンゼルスの大谷翔平だった。

10月1日のナショナルズ戦では、1996年にジョン・スモルツが残した球団奪三振記録(276個)を更新し、記録づくしの初タイトル獲得となった。

ルーキーイヤーから2年連続での200奪三振は史上5人目。ハーブ・スコア、ドワイト・グッデン、そして野茂英雄とダルビッシュ有に続く偉大な記録だ。3年連続はグッデンのみで、来季のストライダーはタイ記録を目指す。

The post 【Stats Leaders⑥(奪三振王)】球界最高の決め球で打者を翻弄した2人の奪三振マシン first appeared on MLB.JP.

© MLB Advanced Media, LP.