久米島の果物香るビール 自信の一杯 ブルワリーツムギ起業の島袋さん「飲み比べて」 那覇市のタイムスビルで10日まで販売

 沖縄県久米島町内で初生産とみられるクラフトビールが、8日開幕の「久米島町 観光・物産と芸能フェア」で初めて発売される。同町仲泊で醸造所兼ビアバー「ブルワリーツムギ」を営む島袋陽子さん(39)が、島内産のマンゴーやパッションフルーツなどを使った自信の一杯を提供する。(南部報道部・又吉健次)

 茨城県出身の島袋さんは「もともと島が好きだった」と話す。大学時代のリゾートバイトで久米島を初訪問し、その後移住して町職員となった。ふるさと納税担当として、久米島紬や米島酒造といった事業者と話し合う中で物づくりの楽しさに触れ、ビール好きも相まって醸造を決意した。

 昨年3月に町を退職して「ツムギ」を開業。クラウドファンディングで資金を募り、島内産の果物を材料にして今年3月から発売した。島内のホテルや土産品店で扱っているが、沖縄本島での入手は難しい。

 年間6千リットルの醸造を計画し、一度に造るのは180リットルほど。製造する度に機械の特性を知り、材料の配合から味が予想できるようになった。「回数を重ねるごとにおいしくなっている」と手応えを語る。

 フェアではしっかりした香りと苦味で一番人気の「トロピカルエール」、果物の香りが漂う「マンゴーセゾン」、シーフードに合って飲みやすい「イリフィエール」を販売。9、10日にフェアで芸能公演する小中高生を応援しようと、売上金の一部を寄付するアルコール度数5%の「ワカチャラエール」も発売する。

 フェアでの飲食ブースはコロナ禍を経て4年ぶり。「会場で買っていただき、車エビも沖縄そばも食べて久米島を感じてほしい。ビールも飲み比べてもらえたら」と笑顔を見せた。1本330ミリリットルで700円(税込み)で販売する。

ワカチャラエール(右)とイリフィエールをPRするブルワリーツムギの島袋陽子さん=7日、那覇市のタイムスビル

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