チームFPS「THE FINALS」が本日リリース!「インビジブルボム」などの新ガジェットや新マップ「ラスベガス」を一足先に体験

ネクソンが本日12月8日より正式サービスを開始するPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けソフト「THE FINALS」のプレイレポートをお届けする。

本日12月8日13時、米国で開催される「The Game Awards 2023」にて、PS5/Xbox Series X|S/Steam向けソフト「THE FINALS」の正式サービス開始が発表された。

正式サービス時には96の新アイテムが追加されるほか、ラスベガスをテーマにしたシーズン1がスタートする。ラスベガスマップは、現在明らかになっているマップに比べて閉鎖的で、狭めのステージになっているとのことだ。

今回は正式リリースに先駆けて、製品版相当のロムをプレイする機会をいただいたので、その感想をみなさんと共有していきたいと思う。筆者のプレイ経験は第1回ベータテスト以来久しぶりなので、進化した点などについてもレポートしていく。

■バランスが改善されガチもエンジョイも可能に。新ガジェットも粒ぞろい

まずは、第二回ベータテストから解禁されたバトルモード「コインダッシュ」をプレイしてみる。コインダッシュは、バラのコインをキャッシュアウトステーションに入金することでポイントを獲得するモードだ。

ステーションに金庫を入れてからキャッシュアウトを待つキャッシュアウトモードと異なり、即ポイントが確定するが、運搬中にやられてしまうとその場にコインをばらまいてしまう。

コインの形状はこんな感じ。やられたその場にコインが落ちる。

プレイしてみた印象としては、チームで金庫を運搬・防衛するキャッシュアウトモードより、撃ち合いが重要になりそうだ。通常よりリスポーンの間隔も短いので、派手な打ち合いがしたい! という人にオススメのモードとなっている。

もちろん、キャッシュアウトステーションの前で強奪を狙ったり、自然発生する金庫からこっそり入金を狙ったりと、筆者が思いつく範囲でも撃ち合いを回避する方法はあるが、どうしても“奪う過程”で撃ち合いが必須になる印象だ。なので、バトル好きの人はこちらのモードをぜひ遊んでみよう。

そのほかに、トーナメントモードを体験した。こちらは、その名の通り8チームで行うミニトーナメントモードで、キャッシュアウトモードが適用される。

ゲーム体験としては通常のものと変わらないのだが、チームで勝ち上がるという目標があるため緊張感や立ち回りが変化し、当然ほかのチームも慎重になるので、重厚な試合が楽しめた。勝利の喜びもひとしおなので、友達と本気の試合を楽しみたいという人にオススメのモードとなっている。

続いて、第一回ベータテストからの変更点を見ていこう。ベータテストでは自由に組み替えられたビルドだが、製品版では購入制になっていた。自由に組み替えられるのももちろん魅力だが、順々に武器が解放されていくのもプレイのモチベーションに繋がって良い。

しかも、筆者が体験した第一回ベータテストから武器やガジェットが大幅に追加されているので、ショッピングもかなり楽しい。1プレイ毎にもらえるコインもなかなか多いので、「ほしいものが買えない!」というストレスはそこまで感じなかった。

また、非常に近接武器が強かった第一回CBTから武器のバランスが調整され、各武器の適切な距離というのが明確になった印象だ。

近接武器にはかなりの弱体化が入っており、無理なごり押しはできなくなり、相手の視界をうまく混乱させるキャラクターコントロールが求められるようになっていた。各武器の適切な距離で撃ち合わないと基本的に勝てないようになっており、明らかに自分よりうまい人にも適切な距離で撃ち合えば結構勝てた印象である。

といっても、従来のFPSよりは乱戦になりやすい点は変わっていない。

また、試合中に控えのアイテムなら変更が効くようになっており、戦局を見ながら随時アイテムを変えられるのが非常に快適だった。

以前までは、試験的なビルドをするときに1試合はそのビルドで過ごさなければならずストレスとなる場面があったが、控えにお気に入りのアイテムを入れておけばリカバリーが効く。「この場面ならこっちのアイテムの方が良いな」という戦略性の向上にもつながるので、非常に良い調整だと思う。

リザーブからは試合前のビルド選択時のみの変更だったが、試合中も可能に。

せっかくなので、追加されたガジェットを使用してみることに。まずは軽量ビルド=ライトのインビジブルボムだ。

これまでのライトは、自身が透明になることを活かした接近・離脱を得意としていた印象だ。このインビジブルボムはその特性をチーム単位でできる優れもので、着弾地点の周囲のキャラクターに透明状態を付与する強力なガジェットだ。友人とボイスチャットを使って息を合わせれば、透明状態を活かしてチーム単位での奇襲をかけられるだろう。

ライトのビルド画面。上段中央にあるのがバニッシング・ボムだ。

中量ビルド=ミディアムは、使用感こそ変化はなかったものの、相変わらずの高いサポート力で味方をサポートできる。

特に、やられるとチーム全体がピンチになりやすいトーナメントモードでは、味方をヒールできる回復ビームが生存力上昇に大きく貢献していた印象だ。キャッシュアウトの防衛にタレットを設置したり、ヒールを活かした押し引きをしたりと、戦略的な立ち回りが好きな人に向いているように思う。“当たれば強い”系の武器であるリボルバーもあるので、距離とシチュエーション次第では重量級のヘビービルドとも撃ち合える。

ミディアムのビルド画面。ライオットシールドが追加されているのだが……

新アイテムとしてライオットシールドが追加されていたのだが、構えると極端に移動が遅いうえに、盾を貫通できる爆発物が多い「THE FINALS」では活躍の場面がやや薄そう。筆者は盾装備が好きなのだが、今回のプレイの中では活かしきれなかった。

チームでのキャッシュアウト防衛など局地的に活躍できる場面もありそうなので、サブウェポンとして控えに入れておくと思わぬところで活きるかもしれない。研究の余地アリだ。

ヘビーには、ドームシールドが追加されていたのが印象的。もともとバリケードなど防衛向きのアイテムが多かったヘビービルドだが、その中でも全方位を守れるドームシールドの効果はかなり期待できる。敵が離れた位置からキャッシュアウト強奪を阻止する布陣を敷いていたら、ドームシールドで強引に強奪できる。

機動力の低さが欠点だったが、ミドルチャンプと連携すれば機動力も確保できる。体力の多さを活かして、アクションをガンガン起こしていきたい人向けのキャラクターだろう。

ヘヴィのビルド画面。名銃と名高いルイス機関銃がラインナップに加わっていて、思わずにっこり。

バトル面の総評をすると、全体的なバランスが良くなっており、これまでの「地形やガジェットを活かした戦略作り」の自由度はそのままに、シチュエーションごとに撃ち合いの詳細部分がよりブラッシュアップされている感じだ。撃ち合いが苦手という人でも、相変わらず地形変化や味方のサポートなどできることが多く、ライトにも楽しめるほか、今回の調整を経てFPSとしてのクオリティもアップしているので、ガチ戦からエンジョイまで幅広く楽しめるだろう。

相変わらず戦闘画面がド派手なゲーム。やりたい放題感がたまらない。

■プロデューサー・ロブ氏とディレクター・スヴェン氏にインタビュー。影響を受けたのは格闘ゲーム!?

ここからは、「THE FINALS」エグゼクティブ・プロデューサーのロブ・ルネソン氏、Embark Studios コミュニケーション・ディレクターのスヴェン・グランドバーグへ行ったインタビューをお届けしていく。

写真右がロブ氏、左がスヴェン氏。発売間近の中、オンラインでインタビューに応じてくれた。

――まず、今回発売となる「THE FINALS」とは、どういったゲームなのでしょうか?

ロブ氏:本作は、戦闘エンターテインメントショー“THE FINALS”を舞台としたシューターゲームです。これまで20タイトル以上のFPSを作ってきた中で、プレイヤーがゲーム体験を作っていけるような作品を作りたいと考えました。競技性もありつつ、楽しく遊べるようなゲームを目指して本作はつくられ、加えて迫力あるサンドボックス要素が入ったことでプレイヤーがゲームメイクを楽しめるようになっています。

――お金を奪い取る、という形式はどのような経緯で生まれたのでしょうか?

ロブ氏:開発が2年ほど進んだ時、ゲームの中にマップの破壊や戦略性、チームの連携などの要素を加えていきたいと考えました。そこで、アクティブなゲーム性にするために、このお金をステーションに入れるというシステムは開発されました。最終的に、我々が作りたかったのは何でもできる世界観なので、ヴァーチャルゲームショウという舞台の中でお金を稼ぐ、というゲーム的な目的が選ばれたわけです。

――開発にあたりこだわった点は?

ロブ氏:我々はクラシックなアーケードゲームの文化が好きで、「THE FINALS」はFPSより「鉄拳」や「ストリートファイター」などの格闘ゲームから多大な影響を受けています。開発時には、セガサターンの格闘ゲームからどういうシステムや戦略で動いているのか、という点を研究しました。(※)

我々が影響を受けたゲームは日本発祥のものが多く、日本の皆様には感謝の念が堪えません。アーケードゲーム以外にも、「イカゲーム」などのテレビドラマからも影響を受けており、本当にたくさんのエンターテインメントから影響を受けたゲームです。

※筆者の解釈も入るが、先述した武器ごとのレンジで戦う、という点は“距離に応じた技選択を行う”という格闘ゲームの立ち回りに近いものを感じた。

――これまでのベータテストでのフィードバックについてはいかがでしょうか?

ロブ氏:たくさんのフィードバックをいただきありがとうございました。小さいバグからバランスにいたるまで、何百万時間分のフィードバックをいただけて大変助かっております。武器のハンドリングやマップの再生成についてなど、修正をさせていただいております。プレイヤーと一緒にゲームを作っていると考えているので、これからもどんどんフィードバックをいただけると幸いです。

スヴェン氏:プレイしてくださり、本当にありがとうございます。

――本日よりシーズン1が始まると思いますが、こちらではどういった頻度でどういった内容が追加されていくのでしょうか?

ロブ氏:まだ明かせないことが多いですが、3ヵ月ごとに年4回、春夏秋冬に合わせたシーズンが開催予定です。「THE FINALS」ではシーズンごとに世界の有名な都市を回る予定で、韓国やモナコ、日本にも行きたいと考えております。イベントなどを開催し、各シーズンで全く異なるプレイ体験をお届けしていく予定なので、シーズン2を見たら驚かれると思います。

スヴェン氏:ライブサービスを続けていくのは難しいことだと理解しています。なので、コミュニティと一緒にリズムを形成しながら、理解を深めていくことが重要だと考えています。

――本作はプレイヤーにどのように遊んでほしいか、というビジョンはありますか?

ロブ氏:我々が本作をプレイしているときと同じような気持ちでプレイしてほしいと思います。我々はこのゲームをプレイするときに、大声で騒ぎ、たまにキーボードをたたき壊しながらプレイしています(笑)。なので、プレイヤーの皆様にも、クリスマスにプレゼントをもらった子供のような気持ちで遊んでほしいですね。あと、僕らが壊したキーボードはいずれ銃のチャームとして実装予定です(笑)。

――本作にはコインがたくさん登場しますが、世界観的にコインはどういった意味を持つのでしょうか?

ロブ氏:プレイヤーは、お金を狙ってゲームショウに参加します。あとは、我々のコアである昔のアーケードゲームに対するオマージュもあります。小さいころ、アーケードゲームにお金を入れるために両親の財布を狙うような感じですね(笑)。コインを機械に入れたい! という懐かしい気持ちを思い起こさせるようなものにしたくて、コインをキーアイテムにしました。

――最後に、本作のプレイヤーたちへメッセージをおねがいします。

ロブ氏:本作はシューターファンだけでなく、世界中の人に楽しんでもらうために作っています。一番伝えたいのは、“このゲームは銃を撃つだけのゲームではない”ということですね。

例えば、私の姉は今まで3Dゲームをやったことがなかったのですが、娘と一緒にベータテストに参加し、ずっと娘の回復を担当していたそうです。それで、「こんなに楽しめるとは思わなかった」と言っていました。余談ですが、姉の子供たちとゲームの話をしていた時に、その子は「パンダとして遊べるゲームがないからつまらない」って言っていたんです。実は、キービジュアルにパンダがいる理由はこれがきっかけです。

と、このようにプロゲーマーから子供まで、すべてのユーザーが重要です。皆様の意見はとても貴重なので、ぜひこれからもどんどんフィードバックを送ってもらえると嬉しいです。

本作では敵を排除するだけではなく、ぜひクリエイティブに遊んでみてください。ようこそ、「THE FINALS」へ。

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