「みんな驚いたでしょ?」SPで史上初4回転アクセルに成功したマリニンが“大混乱”の舞台裏をポロリ「ジャッジとも何度か話し合ったが…」【GPファイナル】

フィギュア界に新たな伝説が刻まれた。

現地12月7日から中国・北京で開幕したフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル。男子シングルはイリア・マリニン(アメリカ)がショートで史上初めて4回転アクセルに挑戦して成功。今季の世界最高得点を更新する圧巻の演技でトップに立った。

伏線はあった。事前の演技構成では4回転トウループを予定したマリニン。だが、直前の6分間練習終盤で、なんと4回転アクセルを披露。今季封印していた伝家の宝刀を突然解禁し、会場を騒然とさせた。

迎えた本番。19歳の米国人は冒頭でアクセルジャンプの軌道に入り、高く鋭い4回転半ジャンプを着氷。国際スケート連盟(ISU)公認大会で、史上初めてショートで成功した大技に、会場は大歓声。ただ、あまりの偉業にジャッジも大混乱。速報値では当初4回転半ジャンプが無効で、しばらく0点になったほどだった。

ただ、そのあとしっかり得点が認められ、2番目に滑った宇野昌磨が叩き出した106.02点の今季世界最高得点を再び上回る106.90点をマークして、首位に浮上。「4回転の神」と称されるのに相応しいパフォーマンスを世界にアピールした。
無論、快挙を目の当たりにしたメディアは19歳のもとへ殺到。マリニンはフィギュアスケート専門メディア『Golden Skate』にサムズアップしながら、「みんなを驚かせるためにここに来たんだ。驚いたでしょ? 4回転アクセルは、とてもプレッシャーだった」と大技成功に安堵した表情を見せた。

続けて、「クワッドアクセル(4回転アクセル)を練習してできるようになるのは本当に難しいと思っていた。でも、何度も練習してきて、練習中にできるようになったんだ。もちろん、着氷後に観客が熱狂するのを聞くのは最高の気分だったよ」と成功の瞬間を振り返った。

昨シーズン、フリーで4回転アクセルを決めた経験が、その後のジャンプもミスなくできた要因だと強調したうえで、「トレーニングエリアのジャッジたちとも何度か話し合ったんだ。彼らは(4回転アクセルは)許可されるべきだと言ったんだ」と、一時混乱したジャッジの舞台裏を明かした。

現地9日、勝負が決まるフリーに向けては「集中力を切らさないようにして、クワッドアクセルをもう一度狙って、クリーンな演技を見せたい」と力強く答え、フリーでも大技を組み込むことを明言。初のGPファイナル制覇へ意欲を示した。

地元で開催されたGPシリーズでは、ショートとフリーの合計で驚異の300点超えを果たし、世界歴代4位に名を残したマリニン。大舞台では、それを上回ることができるのか。過去最高レベルの戦いと言われるファイナルで、「4回転の神」が大きな金字塔を刻もうとしている。

構成●THE DIGEST編集部

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